【2026年4月の課題】グループガバナンスの実効性

2026年4月の課題

事業ポートフォリオの多様化やM&Aによる子会社の増加等に伴い、国内子会社や海外現地法人を起点とする不正・不祥事も増えています。上場会社で発生する不正の相当部分がグループ会社に起因しているとの調査結果もある中、ますます重要性が高まっているのが「グループガバナンス」です。

わが国では、会社法上、企業集団における内部統制システムの整備・運用に関する親会社の責任が明確化され、また、株主が子会社取締役等の責任を追及できる多重代表訴訟制度が創設されるなど、制度面の整備が進められてきました。これらは、親会社としての責任を明確にし、組織横断的な内部統制や不正抑止に向けた牽制機能を強化するものといえますが、グループガバナンスは、不祥事防止などの「守り」の仕組みを作るだけでは不十分です。

経済産業省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(2019年6月28日策定)によれば、グループガバナンスは単なる「子会社管理」にとどまらず、親会社の取締役会が、グループ全体の中長期的な価値創造(およびリスクマネジメント)について責任を負い、その実効性を確保するための枠組みであるとされています。すなわち、取締役会には、グループ各社が置かれる事業環境や成長段階が異なる中でどの事業に力を入れ、限られた経営資源をどこにどれだけ配分するのかを判断し、その考え方を株主や投資家に説明するという「攻め」の姿勢も求められます。

では、「守り」と「攻め」の両面から実効性あるグループガバナンスを構築するうえで、親会社の取締役会はどのような点に留意すべきでしょうか。以下の4つの切り口から考えてみてください。

・トップの姿勢(Tone at the Top)を各社の経営陣や役職員にどう伝え、浸透させるか
・親会社とグループ各社の権限と役割をどう分けるか
・親会社とグループ各社の間での情報共有や協議をどう進めるか
・各社の役員人事や報酬に、親会社がどこまで関与するか

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