経済安保対応における企業連携と独禁法上の“許容範囲”

高市首相による台湾有事を念頭に置いた答弁以降、中日関係やビジネス環境に不透明感が広がっている。こうした中、経済産業省は2025年11月26日、「経済安全保障経営ガイドライン」の公開草案を公表している(同公開草案については2025年12月11日のニュース「企業が経済安保対応を進めるメリット」参照)。本ガイドラインが企業に求めているのは、主に「自律性確保の取組」と「不可欠性確保の取組」だが、これらの取り組みを進めるにあたっては、同業他社との連携を視野に入れる必要が生じる場合も少なくない。その際に注意しなければならないのが、独占禁止法への抵触だ。同業他社との間で、一般的な市場動向に関する意見交換を超え、価格、コスト、生産計画などの具体的な情報を交換することは、独占禁止法が禁止する「カルテル(不当な取引制限)」に該当するリスクがある。とりわけカルテルが問題となりやすい業界では、「密会はしない」「情報交換は原則控える」といった社内ルールを周知徹底しているのが通常であり、独禁法違反を恐れるあまり、経済安全保障の観点から必要な他社連携に二の足を踏む企業も少なくないだろう。


自律性確保の取組 : サプライチェーン強靭化等により、特定の国や特定の企業に過度に依存することなく、いかなる状況下でも顧客企業や消費者等に対して製品やサービスを安定的に供給できる体制を構築すること。
不可欠性確保の取組 : 絶え間なくイノベーションを創出するとともに、自社の重要な資産をリスクから守ることで、自社の製品や技術、サービス等が、取引先を含む国際社会にとって不可欠な存在になること。

こうした懸念を踏まえ、・・・

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