経営トップを誰が監督するのか――。コーポレートガバナンス改革が進む中でも、この問題は依然として日本企業における難題の一つである。特に創業オーナー色の強い企業では、経営判断の迅速性や強いリーダーシップが評価される反面、経営トップに対する牽制機能が弱くなりやすいとの指摘は根強い。
近年は、内部通報制度の整備や社外取締役の増員など、コーポレートガバナンスを強化する施策が相次いでいる。しかし実務上は、“社長案件”や“会長案件”に対して内部監査部門、監査役、管理部門がどこまで踏み込めるのかという問題が残る。本来なら役職員に等しく適用されるべき社内規程やコンプライアンス上のルールが一般社員にだけ厳格に適用される一方、経営トップに対しては十分に機能しないケースも少なくない。
そのため、オーナー系企業において経営トップの関与が疑われる不祥事が発覚した場合には、中立的な第三者を主体とした徹底的な調査が不可欠となる。
経営トップが関わる不祥事を、社長案件や会長案件の延長で特別扱いし、オーナー経営者に忖度した社内調査や軽微な処分によって収束させようとすれば、自社のガバナンスに対する投資家や従業員の不信感は一段と強まることになる。また、再発防止策の実効性にも疑念を持たれかねない。・・・
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