CGコード改訂の方向性

2021年にコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)が再改訂されて以降、2022年にはその再改訂されたCGコードへの対応状況について「中間点検」が行われ、2023年には「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム(意見書(6))」が、2024年には「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024(意見書(7))」が公表され、現在に至っている。

〇関連ニュース
・「中間点検」については2022年8月30日のニュース「CGコードの成果に対する企業と規制当局の認識のギャップ」参照
・「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム(意見書(6))」については2023年4月18日のニュース「コード改訂「3年に1度」のサイクルにとらわれず/コーポレートガバナンス改革の実質化に向けた「アクション・プログラム」公表へ」参照
・「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2024(意見書(7))」については2024年4月22日のニュース「実質株主の把握が容易に スチュワードシップ・コード改訂へ」参照

2023年に公表された意見書(6)では、スチュワードシップ・コード、CGコードの改訂について「従前の見直しサイクルにとらわれない」こととされ、実際、それぞれ2020・2021年の再改訂から3年経過した2023・2024年には改訂は行われなかった。しかし、2024年の意見書(7)に実質株主の透明性確保と協働エンゲージメントの促進に向けてスチュワードシップ・コードを見直す旨が盛り込まれたことを受け、金融庁はこれらの内容を盛り込んだ改訂案を2025年3月21日に公表、4月20日に締め切られたパブリックコメントを経て間もなく確定する見通しとなっている(2025年2月18日のニュース「速報 スチュワードシップ・コードの改訂内容が判明」参照)。こうした中、次は2026年に向けコーポレートガバナンス・コードの改訂プロセスがスタートするのではないかとの観測が広がっていたところ、2025年6月2日に開催された第30回「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、フォローアップ会議)で、2026年に改訂が行われることが確定的となった。


実質株主 : 議決権行使を指図しているが株主名簿には記載されない者

第30回フォローアップ会議では、「意見書(8)」になると目される「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム 2024 のフォローアップと今後の方向性について(案)」が公表されており、その中で下記のとおりコーポレートガバナンス・コードの改訂が提案されている(1ページ参照)。

引き続き、以下を踏まえ、企業と投資家の自律的な意識改革に基づくコーポレートガバナンス改革の実質化を促しつつ、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に真に寄与する「緊張感ある信頼関係」に基づく対話の促進に向け、コーポレートガバナンス・コードの見直しを行う等、必要な環境整備を推進していくこととしてはどうか。

上記提案を受け、フォローアップ会議では「5つ」の項目について、現状認識と問題意識を踏まえた「今後の方向性」が示されている。全てがCGコード改訂につながるものではないが、当フォーラムが検討した「想定され得るコード改訂」と併せて下表のとおりまとめてみた。・・・

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