MBO等における事業計画の予測期間

フィデューシャリーアドバイザーズ代表
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター招聘研究員 吉村一男

周知のとおり、東証はMBO等を行う上場会社に対し、MBO等が「⼀般株主にとって公正であることに関する意⾒」を特別委員会から⼊⼿するとともに、当該意⾒を開示することを義務付けている(2025年8月6日のニュース「東証のMBO開示見直しにより特別委員会が担う重責」参照)。特別委員会は意見を述べるにあたり、「取引条件の公正性」を検討することが求められるが、重要な検討事項の一つが「事業計画の予測期間」だ。というのも、事業価値算定に広く用いられるDCF法では、予測期間の設定が最終的な事業価値に決定的な影響を与えるからである。


特別委員会 : 企業買収の公正性の確保を目的として設置される独立した合議体。企業価値の向上と一般株主の利益保護のため、企業買収の是非や取引条件の妥当性、公正性を検討・判断する。
予測期間 : DCF法において将来キャッシュフローを個別具体的に見積もる期間をいい、通常は事業計画に基づき5年から10年程度設定される。
DCF法 : 企業が将来生み出すと予想されるキャッシュフローを「現在の価値」に換算して企業価値を計算する方法。将来のキャッシュフローを現在の価値に換算するために使われるのが割引率であり、割引率にはWACC(加重平均資本コスト)が用いられるのが一般的である。

事業計画の予測期間とは・・・

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