近年急成長が続いているA社の取締役会では、中期計画において投資家向けにどのような目標を設定すべきかを議論した。
どの取締役の発言がGoodでしょうか。
取締役A:「我が社では配当などの株主還元が低水準にとどまっています。成長への投資も重要ですが、今後は市場平均以上の水準の配当性向を目標に掲げるべきではないでしょうか。」
取締役B:「いや、現在の我が社には成長機会が多いので、投資資金を十分用意しておくべきです。配当性向にコミットすると、それが新たな投資をするうえでの制約になりかねません。だからと言って、低い配当性向を約束しても意味がないのではないでしょうか。いずれにせよ、何かを株主にコミットすることはあまりしたくないですね。」
取締役C:「配当性向を約束するのは難しいとしても、ROEの目標は必要でしょう。ROEの目標は投資家からも常に聞かれるテーマです。」
取締役B:「ただ、特定時点のROEにコミットできますかね?投資回収のタイミングは読みづらく、タイミングが1年違うだけで結果は大きく異なります。ROEにコミットした結果、例えば短期的に償却費が膨らむのを懸念して投資を躊躇するようなことは避けたいところです。」
取締役D:「確かに当社が配当性向やROEにコミットするのは難しいと思いますが、投資を決定する時の判断基準や株主還元の考え方は示しておくべきではないでしょうか?」
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