新興市場に上場するA社では、たった今、定例の取締役会が終了したところです。社外取締役のX氏らが退室した後、部屋に居残った社内取締役数名が小声で話し合いをしています。
専務取締役の「せっかくIT会社のB社から社外取締役のX氏を招聘したにもかかわらず、IT事業部の業績は低迷したままだ。」との発言に対して、取締役A・B・Cが下記の発言をしました。誰の発言がgood発言でしょうか?
IT事業担当取締役A:「X氏を通じてB社に対して期末までに相互に売上を計上できるようバーター取引を持ち掛けてみましょうか。B社と当社の双方が同額の売上を計上できる取引であれば、win-winの取引となるので、B社には話を持って行きやすいですね。IT事業部としてどのような内容のバーター取引にするのがよいのかすぐに検討を始めます。」
常務取締役B:「X氏は『取締役会への出席率』と『役員報酬』は高いが、売上への貢献度は低い。今は増収増益の実現のために全取締役が一丸となるべき時である。社外取締役も取締役の一員である以上、X氏には売上増にコミットしてもらいたいものだ。」
人事担当取締役C:「ちょっと待ってください。わが社は、そもそもIT事業部の売上増を期待してX氏を社外取締役に選任したのでしょうか。いま一度、選任時の目的に立ち返ってみてはいかがでしょうか?」
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