東証一部に上場しているサービス業の甲社では、機関投資家との対話の中で更なるROE向上策を検討するよう提案を受けたことから、取締役会で具体的なROE向上策について議論することになり、取締役A・B・Cが下記の発言をしました。誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「ROEは利益を自己資本で除して計算します。自己資本は一事業部門ではどうしようもない以上、『利益を増やす』すなわち『費用を減らす』しか手段はないと考えています。」
取締役B:「機関投資家から当社のROE向上のために持ち合いを解消するよう求められたとのことですが、そもそも持ち合い株式はB/Sの『資産』の部に表示されるものです。A取締役にご指摘いただいたとおり、ROEはP/Lの『利益』とB/Sの純資産の部の『自己資本』の関係に過ぎません。それにもかかわらず、B/Sの『資産』の部の株式を圧縮せよとの指摘は意味不明と言わざるを得ません。」
取締役C:「ROEの計算式だけで議論をすると本質を見失う危険があります。ROEを構成要素に分解したうえで議論してみてはいかがでしょうか。」
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