流通業のX社では、食品メーカー、アパレル、建設業、金融機関など相当の数の取引先の株式を政策保有しています。X社ではそのうち一部(X社が有する30銘柄)を有価証券報告書で政策保有株式として開示していますが、最近では機関投資家から政策保有株式を売却することを検討するよう要請を受ける機会が増えています。X社の経営陣もようやく重い腰を上げ、取締役会で政策保有株式の取り扱いを検討することになりました。政策保有株式の取り扱いについての取締役A・B・Cの次の発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「政策保有株式を持ち続けることの効果の検証は難しいのではないでしょうか?投資家への説明責任を果たせないのであれば、政策保有株式は売却すべきと考えます。」
取締役B:「政策保有株式を子会社に売却してはいかがでしょうか。単体では売却益を計上できますし、有価証券報告書における政策保有株式の開示も不要になります。」
取締役C:「わが社が持っている政策保有株式のことだけではなく、わが社の株式を持ってもらっている取引先のことも考えておかなければなりません。取引先が一斉に売り出すと、わが社の株式の株価が暴落してしまいます。それは他の株主にとっても望ましいことではありません。もし、わが社の株式を売却しようとする取引先が出てきたら、『売り場の棚を減らさざるをえない』と強い態度で翻意を促すべきです。」
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