製造業のX社では、複数の機関投資家からESGの“E”への対応が不十分であるとの指摘を受けたため、取締役会で対応策を検討することになりました。総務担当取締役よりSDGsやESG投資についての簡単な説明があったのち、各取締役がESGの“E”への対応策についてそれぞれの考えを述べました。取締役A・B・C・Dの次の発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「SDGsの17のゴールの内いくつかに関しては、これから手掛けようとしている施策もあるのですが、まだ手掛けていない施策をアピールするのは適切とは言えません。そもそも、わが社の状況からするとSDGsが掲げる17のゴールのすべてに対応するのは不可能なことなので、投資家から問われたらSDGsについて未対応と回答せざるを得ません。」
取締役B:「SDGsが掲げる17のゴールのうち一部だけでも対応結果を開示すべきですし、現時点では特に何もしていなくても将来に取り組む予定であれば開示すべきです。」
取締役C:「SDGsに掲げてあるゴールのうち国内および国家間の不平等の是正や飢餓対策などは国連や政府に任せておけばいいのであって、一企業で対策できることではない。」
取締役D:「当社は30年前から東北工場近辺の山林で植林をしている。そして、植林の様子は株主通信に掲載している。機関投資家は対話に先立ち株主通信に目を通してきて欲しいものだ。」
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