サービス業のZ社では、CEOが骨折で1週間ほど入院中です。Z社の取締役会では普段はCEOが取締役会議長を務めていますが、CEOが入院している間は、取締役会規程に従い事前に定めておいた取締役会議長の就任順位に基づき、第二順位の専務取締役が取締役会議長に就くことになりました。Z社のCEOは強いリーダーシップでやや強引に議事を進める傾向がありますが、じっくりと人の意見を聴くタイプの専務が取締役会議長を務めた今回の取締役会では、いつもの2倍くらい時間がかかったものの、活発に議論を交わすことができました。取締役会の最後に社外取締役が「今日の取締役会はいつもと異なり実質的な議論をすることができました。そろそろ取締役会議長の就任順位についても見直した方がいいのかもしれません。」と発言したところ、これに対して社内取締役A・B・Cが次の発言をしました。3人の発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「機関投資家からガバナンス強化のために取締役会議長を社外取締役にした方が良いとの意見も聞かれたところです。次の取締役会評価の際に、取締役会議長の座に誰が就任するべきかと言った項目を匿名のアンケートの質問事項に加えても良いかと思います。」
取締役B:「わが社では取締役会に先立って事務局が議案の事前説明を丁寧に行ってくれるので、それが功を奏し、今までに取締役会が紛糾するという事態になったことは一度もありません。取締役会の事前説明を丁寧に行うわが社では、取締役会議長は取締役会の招集、開会と閉会の宣言と議題の提示、発言者の指名、採決、議事録の作成など定型的な議事進行だけを行えば良いので、取締役会議長に誰が就くかはそれほど重要な問題ではないと考えます。」
取締役C:「取締役会議長は取締役会の中でもっとも重要なポジションです。創業家出身でもあり、かつ、全株主の中でもっとも持ち株比率が高いCEOこそ取締役会議長に適任と考えます。」
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