IT業のS社では、定例の取締役会が開催中です。取締役会の最後に今回で2回目の出席となる社外取締役Aが取締役会議事録について発言をして、これに続いてB・C・Dが次の発言をしました。4人の発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「今日の取締役会も非常に活発な議論を交わすことができたと思います。しかし、残念なのはこのような議論をしても取締役会議事録には定型的に「議長は・・・したい旨を説明し、その賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもって原案どおり承認可決された。」としか記載されないことです。前回の議事録が回ってきたときに驚きました。今回から誰が何を発言したのか、議論の内容を議事録にしっかりと留めてください。議事録は事後的に問題が生じた場合に取締役の責任を限定するために作るものなので、よろしくお願いします。」
取締役B:「取締役会での発言は録音しているので、この録音データを書面の取締役会議事録に代わる電磁的記録として10年間保存しておけば、書面の取締役会議事録はシンプルなもので十分ではないでしょうか。」
取締役C:「取締役会議事録がシンプル過ぎると議論をしていないように見えてしまいます。まぁ、採決の結果、否決となった議案についてまで議事録に留める必要はないですが、取締役会議事録には多少のボリュームも必要です。」
取締役D:「取締役会議事録には発言を適切に留めていただきたいですし、取締役会で活発な議論を交わすことができていることは統合報告書等でアピールしていきたいですね。」
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