小売業のX社は、上場してからすでに30年が経過していますが、監査人は上場時からずっと小規模の甲監査法人のままとなっています。X社の取締役会で、監査契約の更新が話題となったところ、社外取締役から「来年から別の大手監査法人に会計監査を頼んではどうか」という提案がなされ、これに対し他の取締役A・B・Cが次の発言をしました。3人の発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「業績が向上しない中、監査コストだけ聖域とは言ってられない。数千万円のコストに見合ったサービスを受けているのか、経理部門は常にコスト意識を持ってサービス内容をチェックして欲しい。来年からは毎年入札で監査法人を選定すればいいのではないか。」
取締役B:「海外の機関投資家の比率も増えてきたので、IFRSや英文開示についても積極的にチャレンジしていきたい。甲監査法人では対応力に不安が残る。」
取締役C:「確かに甲監査法人は昨年「契約の新規の締結に関する業務の停止処分」を受けています。しかし、甲監査法人は弊社のことを30年間監査してくれただけあって、甲監査法人は弊社のことを良く分かってくれている。大手監査法人に切り替えたら、いままで甲監査法人だから認めてくれていた会計処理を認めてもらえなくなりますよ。」
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