東証一部上場企業のA社では、同じく東証一部上場企業でX事業やY事業を営むB社の株式の51%を保有しています。このたびA社はB社に対してB社の展開するX事業をA社に譲渡してもらう案を打診したところ、B社の独立役員会および取締役会で否決されました。そこでA社の取締役会ではB社への対応策を検討中です。3人の発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?(本役員会Good&Bad発言集は実際の事例に題材を求めていますが、発言内容自体はフィクションです)
取締役A:「ちょうどB社の定時株主総会で議決権を行使するタイミングなので、X事業の譲渡に反対した取締役全員の再選議案に反対する案はどうでしょう。業績不振の責任を取ってもらいます。」
取締役B:「独立社外取締役の再選議案にも反対すると言うことですね。でも、独立社外取締役の再選議案は業績不振とは直接の関係がないのではないでしょうか。むしろ、X事業を当社へ譲渡する案に反対された直後に独立社外取締役の再選議案に反対票を投じてしまうと、わが社がB社の少数株主の意見を無視したかのように受け止められてしまうリスクがあります。」
取締役C:「株主総会の議決権行使を資本の論理に委ねるのは当然の話です。なんといっても、わが社はB社の議決権の過半数をおさえているので、B社の独立社外取締役の人事を決めるのは親会社である当社をおいて他にはありません。」
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