東証一部上場企業のA社は、対価1億円(税抜価格)で事業を譲り受ける計画(事業譲受に際して認識可能な資産・負債はなく、正ののれんは10年で償却予定)があります。本計画に関して経理部が作成した資料には税効果についての記述が省略されていたことから、当該資料を基に議論を行っていた監査役会ではのれんと税効果の関係についての見解が分かれました。監査役AからDの発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
監査役A:「事業譲受の対価1億円がそのままのれんになるのではなく、繰延税金資産が控除されるという理解でOKでしょうかね。」
社外監査役B:「のれんには税効果は取らないはずなので、繰延税金資産を控除する必要はなく、1億円がまるまる正ののれんになるはずです。」
社外監査役C:「他社でも同じようなケースに遭遇したことがあるのですが、そのときは正ののれんを計上しつつ繰延税金資産も同時に計上していました。やはり正ののれんに対して繰延税金資産を計上するのではないでしょうか。そして、のれんの償却残額に対して税効果を認識することになると思います。」
監査役D:「もし、繰延税金資産を認識するとなると、P/Lの法人税等調整額を通じて、税引後利益が大きく減少してしまいますね。」
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