東証一部上場企業のA社では、B社よりX事業の譲渡(A社がB社より事業を譲り受ける)の提案がありました。X事業はA社にとって魅力的な事業であるため経営陣も乗り気になっていますが、A社の定例の取締役会で、B社と事業譲受の交渉を本格的に進めるべきかどうかの議論を始めたところ、B社が提示したX事業の事業価値を巡り、議論が膠着状態になりました。取締役AからCの発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「B社の事業計画はいささか楽観的すぎます。当然ながらその事業計画を前提にして算定される事業価値も高すぎます。B社からX事業を買うべきではありません。」
社外取締役B:「X事業の事業計画の達成可能性が争点になっているのであれば、例えば事業譲受後1年間の業績推移に応じて追加支払額を決めるアーンアウト条項をつける交渉をしてみてはどうでしょうか。」
社外取締役C:「アーンアウト条項ですか。それはいいですね。アーンアウト条項により追加で対価を支払うことになる場合、正ののれんの額が増えることになりますが、条件成就の成否が分かるのが1年後であれば、追加で計上するのれんは当初計上したのれんよりも1年遅れで償却を続けていくので、事業譲受後の利益へのインパクトを後ろにずらすことができますしね。」
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