東証一部上場企業のGC社では、長年にわたり業績が低迷していたところ、新型コロナウイルスの感染者増加に伴う消費行動の変化により、売上がさらに激減し、手元資金も目減りし、金融機関の融資姿勢も厳しくなってきました。GC社では、先月末に同社の事業年度が終了し、監査法人の残高監査が始まりました。同社の取締役会では、経理部長より、監査法人が「継続企業の前提」をテーマアップしているとの報告が行われたところです。「継続企業の前提」を巡る下記の4人の発言のうち、誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「来週には金融機関との間でコミットメントラインを設定する契約を締結できる見通しです。継続企業の前提の注記は回避できるのではないでしょうか。」
取締役B:「継続企業の前提の注記は事業年度末の状況で判断するので、事業年度末以降にコミットメントラインを設定できたとしても、継続企業の前提の注記の有無には影響を与えないのではないでしょうか。せいぜい、後発事象として記載するかどうかだと思います。」
取締役C:「営業活動から生ずる損益・キャッシュ・フローは、今期はマイナスになることは間違いないが、少なくとも前期はプラスでした。営業活動から生ずる損益・キャッシュ・フローは2期継続してマイナスの状況ではないので、当社には継続企業の前提の注記が必要な兆候はないと考えます。」
取締役D:「継続企業の前提の注記がつくと上場廃止になるので、それだけは避けなければなりません。」
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