東証一部上場企業のJG社では任意の報酬委員会・指名委員会を設置してから2年が経過したところです。ある監査役による「当社の指名委員会や報酬委員会は、執行側が提案する人選や報酬額を追認するだけのように思えます。それで果たして任意の委員会が有効に機能していると言えるのでしょうか。」との疑問を呈したのをきっかけに、次の3人が発言をしました。誰の発言がGood発言でしょうか?
社外取締役A:「私は両委員会のメンバーなので、一言言わせてください。両委員会が執行側が出してきた案を追認しただけのように見られたようですが、これはそもそも執行側より否決しようがない、良く練られた案を提案いただいた結果に過ぎないと考えています。もっとも、監査役から、そのような評価を受けたということは指名委員会が取締役会への説明責任を十分に果たせていないということであり、その事実は重く受け止めております。今後は議論の過程をしっかりと文書に残し、取締役会や監査役に対して説明できるようにしてまいります。また、任意の委員会の委員長が社長であることも、委員会に対する信頼性を阻害している可能性もあります。これを機に任意の委員会の委員長を社外取締役のどなたかに任せていただくのはいかがでしょうか。」
取締役B:「任意の委員会の活性化のために、委員会のメンバーを任期制にする案はいかがでしょうか。ただ、委員会の委員長についてはひとこと言わせてください。当社では任意の委員会の委員長の職を社長が務めていることで、取締役候補者の人選や報酬額の根回しが円滑に進んでいるのは事実であり、もし委員会の委員長の職を社外取締役が務めた場合にはこのような円滑な進行は期待できないのではないでしょうか。社長は当社の大株主でもあり、社長の判断は株主の目線と一致していると言えます。任意の委員会の委員長の交代は混乱をもたらすだけであり、百害あって一利なしと言えます。」
取締役C:「社外取締役の方々は、執行役員も含めた社内の経営陣の全容や社内事情については精通していらっしゃらないので、委員長に就任したところで果たして次のCEOの候補者を適切に選任できるのか疑問です。」
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