東証上場会社のA社では、投資家からの問い合わせをきっかけとして取締役会で「ビジネスと人権」への対応についての検討を行っているところです。これに関してA・B・C・D・Eの5人が別々に次の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「人権方針は『企業の最上級レベルで承認』される必要があると聞いているので、株主総会で人権方針を決議することになるはずです。」
取締役B:「『企業の最上級レベルで承認』といっても、経営者の承認でよいのではないでしょうか。株主には、株主通信や統合報告書などで人権方針そのものやウェブサイトのURLを掲載することで周知を図ってはいかがでしょうか。」
取締役C:「人権方針は社内規程のようなものなので、社外への公表にはなじまないと思います。」
取締役D:「人権方針をイチから考えるのは手間がかかりますね。多国籍大企業の人権方針であれば、当然人権問題のプロの目を経ているはずなので、それを借用すれば十分ではないでしょうか。」
取締役E:「そもそも歴史的に見て人権を保護するのは国家の役割ではないでしょうか。いつの間に企業が人権を保護する役割を担わされるようになったのでしょうかね。」
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