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【役員会 Good&Bad発言集】保有株ウォッシュ

上場会社P社は、100%子会社S社を通じて取引先である上場企業X社の株式を政策保有株式として保有していました。しかし、機関投資家から「株式の持合いはガバナンスの低下につながる」との批判を受け、3年前にX社株式の保有目的を純投資に変更しました。

こうした中、P社の取締役会において社外取締役がX社株式の売却予定について質問したところ、次の3人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?

取締役A:「当社グループとX社間で株式の持ち合いを解消する場合には、P社とX社の承認が必要という合意を交わしています。現在の株価下落の状況を考えると、X社が売却に合意するとは思えません。また、仮に合意できたとしてもX社も当社株式を売却することが条件になるでしょうし、それば当社の株価の下落圧力になるでしょう。」

取締役B:「私の就任前のことなので詳細は不明ですが、X社との間で『売却には同意が必要』といった合意があるにもかかわらず、3年前にX社株式を純投資に振り替えたということでしょうか? それって「持合い株」を純投資目的であるかのように偽ったいわゆる『保有株ウォッシュ』に該当するのではないでしょうか?」

取締役C:「B取締役は大事なことを見落としています。X社株式を保有しているのは当社ではなく子会社のS社です。一方、X社が保有している株は当社株であり、S社株ではありません。つまり相互保有の関係ではないのです。よって、「実態は持合い株であるところ保有目的を『純投資』と偽り保有株ウォッシュをした」と言われるのは見当違いと言わざるを得ません。」

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