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【役員会 Good&Bad発言集】コーポレートガバナンス・コードへの取り組み(1)

 東証第一部に上場しているCGC社(3月末決算)では、定例の取締役会が開催中である。ちょうど、すべての議題の審議が終了し、報告も一段落したところだ。そろそろ終了かと思われたとき、それまで腕を組んで目をつぶりながら報告を聞いていた社外取締役が、おもむろに鞄の中から書類を取り出し、スタッフに対して役員全員に配るよう指示を出した。社外取締役は、書類が全員にいきわたったのを確認して、ゆっくりとしゃべりだした。

「これは、先日までパブリックコメントを募集していたコーポレートガバナンス・コード原案です。皆さんもすでにご存じとは思いますが、近日中に本コードの確定版が公表される見込みです。当社でも、今後本コードを“Comply”するのか、 “Comply”せずに“Explain”するのかについての議論を深めていく必要があります。まずは、問題意識を持っていただくために、本日コピーをお持ちした次第です。」

 社外取締役の呼びかけに対して、それぞれが次のような発言をしました。次のAからCの発言のうち、誰の発言がGOOD発言でしょうか?

取締役A:「原則1-4には、政策保有株式ごとに『リターン』と『リスク』の見通しを検証し、検証結果を公表しないといけないとあります。わが社は得意先との関係強化のために、多くの得意先の取引先持株会に入っていますが、それも考え直さないといけないですね。」

取締役B:「補充原則4-1③に従うのであれば、最高経営責任者等の後継者の計画を作成しないといけなくなります。後継者の具体的な名前が入った計画書の作成が求められている以上、さっそく「計画書」に掲載する後継者の人選に着手しましょう。」

取締役C:「わが社の場合、6月の株主総会で社外取締役を追加選任する予定です。また、今年は社内取締役の方の選任も予定していると聞いています。“Comply or Explain”の方針をどうするのかは、新たに選任された方々を交えて議論を進めるべきではないでしょうか。そうであれば6月の定時株主総会直後に“Comply or Explain”の方針等を開示するのは不可能です。じっくりと議論をしたうえで今年の秋頃に開示するスケジュールでよいのではないでしょうか。」

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