メーカーであるX社は、業績不振により従業員のリストラを検討している。こうした中、重要案件の是非を検討する同社の経営会議において、技術担当取締役から次の発言があった。
技術担当取締役:「世の常として、リストラを発表した途端、技術系の従業員は優秀な人材から退職していきます。また、再就職を有利に進めるために、技術情報を持ち出そうとする従業員が必ず出てくるでしょう。情報流出防止への対応は本当に頭が痛い。」
技術担当取締役のこの発言に対して、取締役A・B・Cの3人が次のような発言をしました。取締役A・B・Cの発言のうち、誰の発言がGOOD発言でしょうか?
取締役A:「重要な技術は特許を取っているので、情報漏洩の問題はそれほど気にすることはないと思います。もともと特許情報は公開されていますから。」
取締役B:「技術情報の漏洩防止に完璧な対策はありませんが、少なくともこの機会に機密保持の方法や仕組みを見直しておくべきです。例えば、技術情報が格納されているサーバーにはUSBメモリーなどの記憶媒体が接続できる状態になったままでしたよね。」
取締役C:「リストラのために退職金額を積み増ししなければならないのに、機密保持のための新たな費用は認められませんよ。そもそも退職する従業員からは、会社の機密を漏洩しないように守秘義務を課す誓約書を提出してもらうのだから、そんなに神経質になる必要はないと思います。」
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