取締役会をやむを得ず欠席、どんな不利益が考えられる?
取締役会に出席することを予定していたものの、急遽他の予定が入ってしまい、取締役会の開催日時に開催場所に行けないという事態が生じることがあります。特に、複数の会社の役員を兼務している社外役員はこのような事態が生じやすいといえます。また、取締役や監査役は、その能力を買われて経営等を委任されている者であることから、取締役会や監査役会では株主総会において認められているような代理人の出席は認められていません。
こうした際に、やむを得ないとして欠席してしまったとしても、そのことのみをもって直ちに役員としての責任を追及されるわけではありません。もっとも、欠席回数が多い役員は形式的に役員としての責任を果たしていないと判断されかねません。また、公開会社の社外役員については、事業報告に、取締役会への出席状況や取締役会における発言の状況を記載しなければならないとされていることから、欠席回数が多いことは株主にも明らかになってしまいます。
公開会社 : 株式の譲渡制限を付していない株式会社
そのようなリスクがあることを考慮すると、役員としては取締役会の欠席は可能な限り回避した方が望ましいといえます。また、遠隔地にいる等の理由で取締役会の開催場所に出向くことができなかったとしても、役員としては何らかの方法で取締役会の議論に加わることを検討すべきといえます。では、役員がとることができる方策としてはどのようなものが考えられるのでしょうか。次に検討することとします。
持ち回り決議ができるケース、できないケース
役員としては、役員会を欠席することの不利益を回避したい場合、いわゆる持ち回り決議によって取締役会決議を行いたいと考えるケースもあると思われます。緊急に取締役会を招集したい場合や、取締役会に現実に出席できる役員が少ないような場合も同様です。
しかしながら、会社法では、取締役会につき、現実に開催される会議において会社の業務に関する意思決定がされることが予定されており、下記に記載した取締役会書面決議が認められる要件・・・
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