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【人事・労務】従業員にやる気を出させたい

 

「自ら動きたくなる気持ち」を起こさせるには?

従業員にやる気を出させるにはどうしたらよいのか――役員であれば、誰もが一度はこのテーマに思い悩んだ経験があると思います。自己啓発書の元祖と言われる「人を動かす」の著者D・カーネギーは同書の中で、「人を動かす秘訣はこの世にただ1つしかない」と述べ、それは「自ら動きたくなる気持ちを起こさせること」であると断言しています。

では、どうすれば従業員をそのような気持ちにすることができるのでしょうか。これには、上司と部下の関係といった個別の事情も当然関係しますが、多数の従業員を抱える上場会社で、全社的に従業員のやる気をアップさせるために必ず検討しなければならないのが、賃金制度や人事制度、人事考課(評価)制度などの「人事処遇」のあり方です。なかでも、賃金制度と人事評価制度が従業員のやる気に深く関係しているのは間違いありません。

そこで、経営陣としては、どのような理念やポリシー、コンセプトをもって自社の賃金制度や人事評価制度を構築し、運用していけばよいのか、以下で詳しく解説します。

成果だけを評価しない「日本型成果主義」

2000年以降、多くの日本企業において、年功型賃金から成果主義賃金への移行が進みました。当初は“出来高制”のごとく、過度に「成果」に偏ったものが多くみられましたが、その後、日本企業の職場の実態に適したものへと修正が加えられ、成果だけでなく、・・・

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年俸制の導入がやる気アップにつながらない理由とは?

成果主義賃金とともに、年功型賃金制度からの移行が進んだものとして、「年俸制」が挙げられます。実際、年俸制を導入している上場会社の多くが成果主義と併用しています。年俸制とは、従業員に支払う賃金を1年間という単位(年収単位)で決める賃金制度であり、年俸額は前年の評価に基づき変動します(ただし、変動幅の上限が決められている場合がほとんどです)。

賃金を毎年変動させることが可能な年俸制を導入することで、年功型賃金制度が生む「成果にかかわらず1年経てば定期昇給により自動的に給与が増える」といった甘い考えや、それゆえの「事無かれ主義」といった弊害をある程度払拭できますので、従業員のやる気アップへの効果が期待できます。

ただ、年俸制の導入が従業員のやる気アップにつながっていない会社も少なからずあるようです。これは何故でしょうか?・・・

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目標設定は「少し背伸びすれば達成可能なレベル」で

目標管理制度とは、会社の理念や目標を従業員に示したうえで、その達成のために従業員がすべき仕事や目標を設定し、その達成度合いを月例賃金や賞与などの処遇に反映させる仕組みです。現在、多くの会社で導入され、従業員のやる気アップに効果を発揮する一方、上手くいっていない事例も少なくありません。その原因は、当初の目標設定や、達成度合いの評価方法などにあります。

まず目標設定の問題ですが、・・・

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360度評価は参考程度に

人事評価といえば、直属の上司が1次評価を、上司のさらに上長が2次評価を行うのが一般的ですが、近年は、こうしたラインの上司からだけではなく、部下や同僚、他部門の管理職や非管理職、取引先の担当者等からの評価も採り入れる「360度評価」を導入している会社もみられます。360度評価は多面評価の一種であり、複数の評価者の目を通すことで、その評価に対する客観性や公正性、納得感を高める効果が期待できます。

ただし、360度評価を人事評価、すなわち「賃金などの処遇を決める重要な要素」として過度に利用すべきではありません。あくまでも人事評価の際の「参考資料」として捉えるべきです。なぜなら、・・・

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相対評価か絶対評価か

評価制度が従業員のやる気に影響するのは言うまでもないことですが、やる気をアップさせるために「絶対評価」が良いのか、それとも「相対評価」が良いのかについては、いまだ議論の尽きないところです。・・・

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モラールサーベイで従業員の意識の把握を

従業員のやる気アップ策を検討したり、また、導入した策が有効に機能しているかどうかを検証するためには、「モラールサーベイ」(従業員意識調査)を実施するとよいでしょう。モラールサーベイは、・・・

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「自分を見てくれている」と感じることが部下のモチベーションに

ここまで、賃金制度と人事評価を中心に、従業員のやる気を出させるにはどうしたらよいか、どういう点に注意したらよいかを解説してきましたが、いくら練りに練って評価制度を構築して導入し、きちんと賃金等の処遇に反映したとしても、期待したような結果が必ずしも得られるとは限りません。なぜなら、・・・

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