2021/08/20 【ケーススタディミニテスト】人材を募集したい 第2問解答画面(不正解)

不正解です。
固定的な性別による男女の役割分担意識や過去の経緯から、男女労働者の間に事実上の差異が生じている場合に、このような差を解消するために企業が行う自主的かつ積極的な取組みをポジティブアクションといいますが、かかる取組みを行うことは、男女雇用機会均等法上禁止されません(男女雇用機会均等法8条)。例えば、営業部の全員が男性社員である場合、営業部における新規採用において「女性歓迎」といった内容の募集広告を出すことは可能とされています(問題文は正しいです)。

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「人材を募集したい」の『「女性歓迎」が禁止される場合と許される場合』はこちら

2021/08/20 【ケーススタディミニテスト】人材を募集したい 第2問解答画面(正解)

正解です。
固定的な性別による男女の役割分担意識や過去の経緯から、男女労働者の間に事実上の差異が生じている場合に、このような差を解消するために企業が行う自主的かつ積極的な取組みをポジティブアクションといいますが、かかる取組みを行うことは、男女雇用機会均等法上禁止されません(男女雇用機会均等法8条)。例えば、営業部の全員が男性社員である場合、営業部における新規採用において「女性歓迎」といった内容の募集広告を出すことは可能とされています(問題文は正しいです)。

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「人材を募集したい」の『「女性歓迎」が禁止される場合と許される場合』はこちら

2021/08/20 【ケーススタディミニテスト】人材を募集したい 第1問解答画面(不正解)

不正解です。
男女雇用機会均等法は、男女で募集条件を変えることを禁止していますので、女性についてのみ、未婚者であること、子供がいないこと、自宅から通勤すること等を条件とすることは許されません(問題文は誤りです)。

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「人材を募集したい」の「人材募集の広告、ここに注意」はこちら

2021/08/20 【ケーススタディミニテスト】人材を募集したい 第1問解答画面(正解)

正解です。
男女雇用機会均等法は、男女で募集条件を変えることを禁止していますので、女性についてのみ、未婚者であること、子供がいないこと、自宅から通勤すること等を条件とすることは許されません(問題文は誤りです)。

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2021/08/20 チェックリスト:人材を募集したい(会員限定)

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■チェックリスト:人材を募集したい

チェック事項 備考 対応未了 対応済
人材の募集・採用において、次のような扱いをしていないか。
・募集または採用に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること
・募集または採用に当たっての条件を男女で異なるものとすること
・採用選考において、能力および資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること
・募集または採用に当たって男女のいずれかを優先すること
求人の内容の説明等募集または採用に係る情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること
人材の募集・採用において、ポジティブアクションに取り組む場合、雇用管理区分、職務、役職において、女性労働者の割合が4割を下回っている場合となっていることを確認したか。
人材の募集・採用において、性別による取扱いを行う場合、次の点に該当することを確認したか。
(1) 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から、男女いずれかのみに従事させる必要がある職務(例えば、「男優」、「女性モデル」「ソプラノ歌手」など)
(2) 防犯上の要請から、男性に従事させる必要性がある職務(例えば、「警備員」など)
(3) 宗教上、風紀上、スポーツ競技など、その業務の性質上、男女いずれかのみに従事させる必要がある職務(例えば、「神父」、「巫女」、「女子更衣室の係員」など)
(4) 法律上女性の就業が禁止・制限されている、法律上男性を就業させることができない等、性別にかかわりなく均等な機会を与え、均等な取扱をすることが困難である場合(例えば、「坑内労働」「妊娠・出産に係る機能に有害な一定の業務」など)
(5) 風俗・風習などの違いにより、男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合、その他特別な事情により、性別にかかわりなく均等な機会を与え、均等な取扱いをすることが困難である場合(例えば、治安や男女の就業に対する考え方の相違等の事情により、男女いずれかが就業してもその能力の発揮が期待できない地域での勤務など)
人事担当取締役の役割は、人材採用担当者が「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」を理解しているかどうか、指針に沿った形で人材募集が行われているか、マニュアルや研修が整備されているか、といった点について組織的に取り組む体制を整備・運用しているか。
人材募集についての広告出稿や店頭でのポスター告知を現場に任せている会社の場合、人事担当取締役や本社の人事担当者は、店舗等の各現場の担当者に男女雇用機会均等法に関する指針の周知徹底を図っているか。
内部監査にて、男女雇用機会均等法に関する指針に反した募集広告出稿や店舗内告知が行われていないか、事後的なチェックを行っているか。
女性の活躍の「見える化」に取り組んでいるか。 女性活躍推進法の改正に留意しなければならない。
人材採用エントリーページの性別欄にLGBTへの配慮を行っているか。 性別欄の要否を検討すべきである。
同一労働同一賃金を遵守しているか。 同一労働同一賃金ガイドラインが参考になる。

ケーススタディ役員実務「人材を募集したい(会員限定)」はこちら

2021/08/20 【人事・労務】人材を募集したい(会員限定)

 

人材募集の広告、ここに注意

会社の業容の拡大や業績回復に伴い、現在の従業員・パートタイマー・アルバイトでは人手が回らなくなる場合があります。離職率の高い業態では、業績に関係なく、何ら手当をしなければ人材は減り続ける一方といえます。

人材の補充をしなければ、現場は過重労働で疲弊し、従業員満足度の低下は免れないでしょう。また、人材不足による工場操業度の低下や店舗等におけるサービスの低下、新店出店の断念といった事態も招きかねません。労働集約型産業の場合、特にその傾向が強いといえるでしょう。そのような会社では、定期的・継続的に人材募集の策を講じる必要があります。

そのような業態でなくても、中期事業計画の実現に必要となる人材、従業員数、パート・アルバイト数を確保するために、採用計画を練り、その実現に向けて、やはり定期的・継続的に人材募集の策を講じる必要があるといえます。

幸い、近年は新卒・第2新卒ともに買い手市場が続くとともに、人材の流動化は相当進み、転職市場は厚みを増しています。必要な人材を確保するためには、多少の手間暇をかけることをいとわない会社も少なくありません。

人材募集に際しては、人づてによる紹介、ハローワーク、自社ホームページや求人誌の活用、民間の斡旋会社やスカウトの利用といった直接雇用のための施策に加えて、派遣会社の利用等、集めたい人材の特性に応じ、人材募集策を使い分けることになります。

自社ウェブサイトや求人誌の活用に際して、注意しなければならないのが、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(以下「男女雇用機会均等法」といいます。)への対応です。男女雇用機会均等法では、「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」(同法5条)と定め、募集・採用において、女性のみならず、男性を差別することを禁止しています。

具体的には、指針(平成18年厚生労働省告示614号「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」)において、募集・採用に関して、次のような扱いをすることが禁止されています。
・募集または採用に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること
・募集または採用に当たっての条件を男女で異なるものとすること
・採用選考において、能力および資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること
・募集または採用に当たって男女のいずれかを優先すること
・求人の内容の説明等募集または採用に係る情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること

したがって、募集広告を出稿するにあたり、募集または採用の対象を男女のいずれかのみとする、男女のいずれかを表す職種の名称を用いる、男女で異なる応募条件を記載する、といったことは、上記の指針に反することから、避ける必要があります。

「カメラマン募集」「未婚女性募集」はNG?

では、具体的にはどのような内容の広告が男女雇用機会均等法違反に該当しうるのでしょうか。

この点、2006年10月11日雇児発1011002号(以下「通達」といいます。)第2の1(2)は、以下のような名称が、それぞれ、男性または女性を表す職種の名称にあたるとしておりますので、このような職種の名称を募集広告で用いることは、男女雇用機会均等法に違反することになります。

<男性を表す職種の名称>
例えば、ウェイター、営業マン、カメラマン、ベルボーイ、潜水夫のような、「マン」、「ボーイ」、「夫」といった男性を表す言葉が職種の名称の一部に含まれているもの

<女性を表す職種の名称>
例えば、ウェイトレス、セールスレディのような、「レディ」、「ガール」「婦」といった女性を表す語が職種の名称の一部に含まれているもの

もっとも、「カメラマン」のように性別を示さない別の表現とすることが難しい職種もあります。そのような職種について募集広告を出す場合はどのようにすればよいでしょうか。その場合には、「カメラマン(男女)募集」とする等、男女の双方を募集していることを明らかとしたり、「セールスマン・セールスレディ募集」という風に、双方の名称を並列させたりする方法が考えられます。

また、男女雇用機会均等法は、差別的取扱の禁止の対象を、女性のみならず、男性も含めていますので、「女性向の職種」「主婦歓迎」「貴女を歓迎」といった表現も、女性のみを募集するものとして男女雇用機会均等法違反となります。

さらに、男女雇用機会均等法は、男女で募集条件を変えることを禁止していますので、女性についてのみ、未婚者であること、子供がいないこと、自宅から通勤すること等を条件とすることはできません。したがって、このような条件を募集広告に記載することは、男女雇用機会均等法に違反し、許されません。

「女性歓迎」が禁止される場合と許される場合

女性が多い職場において、慣習的に「女性歓迎」としてしまうと、男女雇用機会均等法違反になってしまいます。しかし、「女性歓迎」が同法違反にならないケースもあります。それがポジティブアクションに基づくケースです。

ポジティブアクションとは、固定的な性別による男女の役割分担意識や過去の経緯から、男女労働者の間に事実上の差異が生じている場合に、このような差を解消するために企業が行う自主的かつ積極的な取組みをいいますが、かかる取組みを行うことは、男女雇用機会均等法上禁止されません(男女雇用機会均等法8条)。

固定的な男女の役割分担意識により、男女労働者の間に事実上格差が生じているか否かは、女性労働者が男性労働者と比較して相当少ない状況にあるか否かにより判断され、具体的には、雇用管理区分、職務、役職において、女性労働者の割合が4割を下回っている場合をいいます(通達 第2の3(2)、(6))。したがって、例えば、営業部の全員が男性社員である場合、営業部における新規採用において「女性歓迎」といった内容の募集広告を出すことは可能です。

警備員を男性のみ募集することは許される?

もっとも、何が何でも性別による取扱いを変えてはいけないとしてしまうと、むしろ不適切になってしまう局面も考えられます。そこで、以下のいずれかに該当する場合には、例外として、性別による取扱いを変えてもOKとされています。

(1) 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から、男女いずれかのみに従事させる必要がある職務(例えば、「男優」、「女性モデル」「ソプラノ歌手」など)
(2) 防犯上の要請から、男性に従事させる必要性がある職務(例えば、「警備員」など)
(3) 宗教上、風紀上、スポーツ競技など、その業務の性質上、男女いずれかのみに従事させる必要がある職務(例えば、「神父」、「巫女」、「女子更衣室の係員」など)
(4) 法律上女性の就業が禁止・制限されている、法律上男性を就業させることができない等、性別にかかわりなく均等な機会を与え、均等な取扱をすることが困難である場合(例えば、「坑内労働」「妊娠・出産に係る機能に有害な一定の業務」など)
(5) 風俗・風習などの違いにより、男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合、その他特別な事情により、性別にかかわりなく均等な機会を与え、均等な取扱いをすることが困難である場合(例えば、治安や男女の就業に対する考え方の相違等の事情により、男女いずれかが就業してもその能力の発揮が期待できない地域での勤務など)

現場任せは危険!人事担当取締役の役割とは?

男女雇用機会均等法に違反する行為については、厚生労働大臣から報告を求められ、または助言、指導若しくは勧告の対象となりえますし、事業主が是正勧告に従わない場合にはその旨の公表がされることもあります(男女雇用機会均等法29条、30条)。そのような制裁を受けてしまうと、社会的な名声を大きく傷つけることになってしまいます。

そのため、人事担当取締役の役割は、人材採用担当者が上記の指針を理解しているかどうか、上記の指針に沿った形で人材募集が行われているか、マニュアルや研修が整備されているか、といった点について組織的に取り組む体制の整備・運用にあるといえます。

人材募集についての広告出稿や店頭でのポスター告知を店舗や支社等の現場に任せている会社もありますが、その場合、上記の指針が店舗等の各現場の担当者にまで周知徹底されていないリスクが考えられます。そこで、人事担当取締役や本社の担当者は継続的に周知徹底を図っていく必要があります。また、内部監査にて、上記の指針に反した募集広告出稿や店頭でのポスター告知が行われていないか、事後的なチェックも実施しておくべきといえます。

女性の活躍の「見える化」が進行中

求職者の視点から考えてみると、とりわけ女性の求職者であれば、「この会社は古い体質の会社で、女性が活躍しにくい会社なのではないか」が、非常に気になるところです。

上場会社は「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の「コーポレート・ガバナンス体制の概要」の説明において、取締役会や監査役会、各種の諮問委員会、経営会議等における男女別の構成などを記載することが求められています。また、2019年5月に成立し同年6月に公布された女性活躍推進法等の一部を改正する法律により、一般事業主行動計画の策定・届出義務および自社の女性活躍に関する情報公表の義務の対象が、常時雇用する労働者が301人以上から101人以上の事業主に拡大されます(2022年4月1日施行)。また、常時雇用する労働者が301人以上の事業主は、「職業生活に関する機会の提供に関する実績」「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」の各区分から1項目以上公表する必要があります(2020年6月1日施行)。投資家に限らず、就職を希望する者や転職希望者にとっても女性活躍の状況や働きやすさの「見える化」が進み、よりやる気のある優秀な人材の確保が可能になることから、これを機に積極的に取り組んで欲しいところです。

問われるLGBTへの感度

最近では、男女雇用機会均等法が解消しようとしている「男or女」という問題に加えて、LGBT当事者を支援する団体などから「そもそもそのような二元論でよいのか」という切り口による問題意識の提示が行われています。人材募集に関しては、LGBT当事者を支援する団体から経済産業省などにJIS規格の履歴書様式に記載されていた性別欄の削除を求める要請が行われ、既にJIS規格から履歴書の様式例が削除されています。また、事務用品最大手のコクヨは性別の開示を希望しない求職者のニーズに対応するため、「性別欄」のない履歴書の販売を2020年12月から開始しています。

こういった問題意識を取り入れ、上場企業や地方自治体では人材採用エントリーページの性別入力欄においてLGBTに配慮した工夫を施す企業が増えてきています(LGBTに配慮した人材採用エントリーページについては2021年4月16日のニュース「厚労省が新たな履歴書の様式例案を公表、企業に真っ先に求められる対応」を参照)。人材採用エントリーページからLGBTへの感度を問われる時代になったと言えます。

人材募集にあたっては性別への配慮に加えて、同一労働同一賃金にも実現しなければなりません。同一労働同一賃金とは、同一企業内におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差を解消するための基本原則となります。同一労働同一賃金については、同一労働同一賃金ガイドラインを参考にしながら、同一企業におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかについて理解を深めるようにすべきです。

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2021/08/20 (新用語・難解用語)レジリエンス

周知のとおり、今般のコーポレートガバナンス・コードの改訂版では補充原則3-1③が新設され、プライム市場上場会社に対し、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響についてTCFDの枠組みによる気候変動関連情報の開示が求められたところだ。ここでいうTCFDとは、TCFDが2017年6月に公表した最終提言(以下、TCFD提言)を指すが、このTCFD提言に多く登場するのが「レジリエンス」という用語だ。・・・

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TCFD : 主要国の金融当局(中央銀行、金融監督当局、財務省)やIMF(国際通貨基金)、世界銀行、BIS(国際決済銀行)、OECD(経済協力開発機構)などで構成される国際的な金融システムの安定を目的とする組織である金融安定理事会(FSB)が設置した組織。TCFDとは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略である。TCFDが2017年6月に公表した最終提言は、気候変動リスクに関する情報開示のフレームワーク(枠組み)のグローバルスタンダードになりつつある。

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2021/08/20 (新用語・難解用語)レジリエンス(会員限定)

周知のとおり、今般のコーポレートガバナンス・コードの改訂版では補充原則3-1③が新設され、プライム市場上場会社に対し、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響についてTCFDの枠組みによる気候変動関連情報の開示が求められたところだ。ここでいうTCFDとは、TCFDが2017年6月に公表した最終提言(以下、TCFD提言)を指すが、このTCFD提言に多く登場するのが「レジリエンス」という用語だ。

TCFD : 主要国の金融当局(中央銀行、金融監督当局、財務省)やIMF(国際通貨基金)、世界銀行、BIS(国際決済銀行)、OECD(経済協力開発機構)などで構成される国際的な金融システムの安定を目的とする組織である金融安定理事会(FSB)が設置した組織。TCFDとは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略である。TCFDが2017年6月に公表した最終提言は、気候変動リスクに関する情報開示のフレームワーク(枠組み)のグローバルスタンダードになりつつある。

レジリエンス(resilience)が「回復力」「弾性(しなやかさ)」と訳され、気候変動関連情報の開示においては、一般的には「気候変動の悪影響に対する脆弱性を減らしつつ、事業の“復元力” や“しなやかな強靭さ”を持つこと」と理解されている。この意味におけるレジリエンスは「リスク」への対応という面が強調されがちだが、TCFD提言においては下図のとおり気候変動に伴う「機会」の文脈でも用いられている。

TCFD提言8ページ「3. 財務への影響」図1
58222

気候変動に伴う「機会」とは、気候変動が企業にもたらす可能性がある“プラスの影響”を指す。典型的な例として、エネルギー効率の向上やコスト削減、CO₂の排出を抑えた新製品やサービスの開発などが容易に頭に浮かぶが、例えばサプライチェーンでのレジリエンスの構築も「機会」の一つに該当する。

また、TCFD提言が推奨する開示は、「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント(リスク管理)」「測定基準とターゲット(指標と目標)」の4つの要素から構成されているが(TCFD提言21ページ参照)、このうち「戦略」では、「2℃以下のシナリオに合致した低炭素経済への移行、および、物理的気候関連リスクの増加と整合したシナリオを考慮した上で、気候関連のリスクと機会に対する自身の戦略にどの程度レジリエンスがあるかを記述」することを推奨している。ここでも「リスクと機会に対する」という表現が使われているように、レジリエンスは、気候変動リスクを回避するためのみならず、気候変動に伴うビジネスチャンスの創出など「機会」の観点からも企業価値の向上をもたらし得るということを経営陣は認識し、その向上に取り組みたいところだ。

2℃以下のシナリオ : 気温の上昇を「2℃以内」にとどめることを目標とするパリ協定で合意された脱炭素社会を目指すシナリオ
物理的気候関連リスク : 気温上昇、豪雨、洪水、干ばつ、気候パターンの変化、山火事、自然災害によるサプライチェーンの寸断など

2021/08/19 【株主総会の運営】株主総会決議が無効や取消になるかもしれない

 

株主総会決議の「取消」「無効」「不存在」の違い

株主総会を開催するにあたり、会場の手配、招集通知の作成と郵送、議決権行使結果の集計、会場設営、予行練習、会場までの株主の案内、総会のスムーズな運営と株主の発言への対応など、議案を決議するまでに並々ならぬ手間と相当の時間を費やすこととなります。そこまでして決議にこぎつけたにもかかわらず、残念ながらその効力が認められなくなる場合があります。それは、株主総会決議に瑕疵(かし)があった場合です。瑕疵というとやや難しく聞こえますが、「ミスがあった」と言い換えることもできます。株主総会決議にミスがあった場合、そのミスの内容次第で、以下のように株主総会決議の効力が認められなくなる可能性があるのです・・・

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具体的にどのようなミスが問題になるのか?

株主総会決議の有効性に問題が生じる場面としては、例えば以下のような場合が考えられます。・・・

続きをご覧になるには会員登録(※有料)が必要です。会員登録はこちら

決議がひっくり返されるリスクはいつまで続く?

株主総会の手続にミスがあれば決議がひっくり返されるリスクが生じてしまいます。では、そのリスクはいつになったら解消するのでしょうか。それがわからないと、役員としてはいつまでも不安な気持ちでいなければならないことになります。

まず、株主総会決議の無効事由である法令違反の内容の決議をしてしまった場合や、株主総会決議が不存在とされるような重大な瑕疵がある場合は、・・・

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2021/08/19 【ケーススタディミニテスト】株主総会決議が無効や取消になるかもしれない(会員限定)

【問題1】

株主総会の決議内容が定款に違反している場合は、株主総会決議の不存在となる。


正しい
間違い
【問題2】

株主総会の決議内容が法令に違反する場合は、株主総会決議の不存在となる。


正しい
間違い
【問題3】

株主総会で分配可能額を超える配当の決議をした場合、当該決議は無効となる。


正しい
間違い
【問題4】

株主総会で法令違反となる決議をしてしまった場合や、株主総会決議が不存在とされるような重大な瑕疵がある場合でも、決議から3か月間を経過すれば、決議無効や決議不存在を主張されることはない。


正しい
間違い
【問題5】

株主総会の決議の日から3か月間が経過すれば決議が取り消される心配はしなくてよい。


正しい
間違い