いまだ英文開示を実施したことがないA社(東証スタンダード市場に上場)では、英文開示実施企業が東証の市場全体で6割を超えたとの報道を目にしたことでようやく重い腰を上げ英文開示の取り組みについての議論をスタートさせたところです。これに関してA社の取締役会で次の4人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?
取締役A:「東証の英文開示実施率ですが、全市場の数値といっても実際にはプライム市場上場会社が引き上げた数値であり、スタンダード市場上場会社に限るとまだまだ実施率は高くはないはずです。まずはわが社における英文開示の必要性の程度を知りたいので、当社の株主における海外投資家の比率を教えてください。」
取締役B:「英文開示資料の公表と和文資料の公表は同時が望ましいとはいえ、他社の事例を見ると何が何でも同時でなければならないという訳でもなさそうです。」
取締役C:「招集通知や決算短信の翻訳には時間がかかりますから、和文資料の公表日後おおむね1か月をめどに開示できればいいのではないでしょうか。」
取締役D:「決算短信のような専門的文書を英文化するには専門的知識が必要となります。日本基準のように決算短信の開示様式例が公表されている訳ではないので、わが社のようにこれまでにノウハウの蓄積がない会社では大変な作業です。」
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