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【役員会 Good&Bad発言集】カスタマーハラスメント防止に向けた取組み(2)

2025年4月から東京都で全国初のカスタマー・ハラスメント防止条例(以下、カスハラ防止条例)が施行される旨の報道を目にした上場会社B社(事業所は神奈川県のみ。子会社C社の本社は神奈川県だが、東京都に事務所を設けている)の社外取締役が、取締役会において自社におけるカスハラ対策の現況を尋ねたところ、次の4人が下記の発言を行いました。誰の発言がGood発言でしょうか?

取締役A:「カスハラは消費者向けビジネスの店舗で生じるようなハラスメントであって、当社のようなB2B企業には関係がないのではないでしょうか。ちなみに子会社のC社はB2C企業ですが、本社所在地は神奈川県なので、C社が東京都のカスハラ防止条例の適用を受けることはありません。」

取締役B:「B2B企業であってもカスハラはあり得ますよ。当社のように東京で事業をしていない企業であっても、東京都に住所を有する顧客から問い合わせを受けた際にカスハラを受ければ、東京都のカスハラ防止条例が適用されます。それに当社の場合、東京都にある自宅から通勤している従業員もたくさんいますから、従業員という切り口でも東京都のカスハラ防止条例が適用されますよ。」

取締役C:「当社は東京都に事業所を有するわけではないので、東京都のカスハラ防止条例は適用されません。もっとも、事業者によるカスハラ対策はもはや必須なので、東京都の条例の適用の有無にかかわらず、カスハラ防止へ取組んでいく必要があります。また、子会社のC社は本社所在地が神奈川県ですが、東京都にも事業所がありますので、東京都の事業所においては東京都のカスハラ防止条例が適用されます。」

取締役D:「東京都のカスハラ防止条例は東京都に住所がある顧客からのカスハラにのみ適用されるので、カスハラ防止条例が適用される顧客かどうか顧客名簿等を整え顧客の住所を判別できるようにしておく必要があります。もっとも、C社での顧客との接点はインターネットや電話であり、フェイストゥフェイスで顧客と対応することはないので、東京都のカスハラ防止条例が適用される場面はないのが実情です。」

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