TMI総合法律事務所 弁護士 中西 健太郎
1.はじめに
2014年11月、株式会社IHI(旧石川島播磨重工業)の不適切会計処理問題に起因した株価下落を巡り株主(既に同社株式を売却済みの者を含む)がIHIに対して提起した訴訟について、東京地方裁判所で会社側一部敗訴の判決が下された。この判決は、開示書類に虚偽記載のあった場合における金融商品取引法上の賠償責任規定に基づき、会社の責任を認めるものであった。
また、2015年5月には、株式会社リソー教育が同社元取締役等に対し、(不適切な会計処理の結果)虚偽記載のある開示書類を提出したことに伴い金融庁より課徴金納付命令が出されたことなどに起因して同社に生じた損害の賠償を請求する旨の訴訟を提起している(詳細はこちら)。なお、リソー教育に対する株主からの訴訟も提起されている(詳細はこちら)。
本稿では、これら2つの事案を踏まえて、不適切会計処理とそれに伴う株価下落に対する会社及び役員の責任について解説する。
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