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【特集】2017年度税制改正を踏まえたインセンティブ報酬設計のポイント

ウイリス・タワーズワトソン
経営者報酬部門 コンサルタント 小川 直人
03-3581-6786
naoto.ogawa@willistowerswatson.com

はじめに

2017年度税制改正大綱が与党より昨年(2016年)12月8日公表され、同月22日に閣議決定された。役員報酬については、コーポレートガバナンス強化が謳われる中で二年連続の税制改正となった。各企業からは「6月総会への付議を目指して制度改革を進めてきたが、制度設計の前提としてきた部分に変更があるのか」「自社の役員報酬の仕組みは税制が狙いとするところや方向性と足並みが揃っているのか、精査したい」といった声が聞こえてくる。

そこで本稿では、コーポレートガバナンスの文脈において検討されることになる「中長期のインセンティブ報酬」に焦点を当て、2017年度税制改正大綱の内容を踏まえた役員報酬制度の設計のポイントを整理したい。具体的には、まず中長期のインセンティブ報酬制度の類型を整理し、次にそれらの仕組みが2017年度税制改正大綱を受け、損金性という観点からどのような取扱いとなるのかを整理したい。その上で、あらためてインセンティブ報酬の制度設計において「損金性」というテーマがどのような優先順位を以て取り扱われるべきか、基本的な考え方を整理したい。

※なお、本稿は役員報酬の制度設計という観点から情報提供や考察を行うものであるため、個別具体的な税務上の助言は必ず税務の専門家に依頼されたい。

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