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【特集】英国コーポレートガバナンス・コードの改訂(前編)

その後、2023年11月7日に英国FRC(財務報告評議会)は、同国コーポレートガバナンス・コードの改訂について方針を転換することを発表、改訂案の大部分を撤回し、今回は小規模な改訂にとどまることとなりましたが、改訂案の内容は資本市場の潮流を把握するうえで極めて有用であるため、本特集ページにおける解説記事は引き続き掲載することとします。

はじめに

英国コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂プロセスが大詰めを迎えている。FRC(英国財務報告評議会)は2023年5月23日にコード改訂案を公表、9月13日を期限としてパブリックコメントを募集していたところだが、今後は寄せられたコメントを反映する形で改訂案の修正、および各種ガイダンスの策定または改訂を実施したうえで、2025年1月1日以降に開始する事業年度から適用される見通しとなっている。

本特集では、将来の日本のCGコード改訂にも影響を及ぼし得る英国CGコードの改訂のポイントを解説する。


FRC(英国財務報告評議会) : 「Financial Reporting Council」の略で、イギリスにおける監査人、会計士および保険数理士を規制するとともに、企業のコーポレート・ガバナンス・コードおよびスチュワードシップ・コードを設定する役割を担っている。

取締役会には内部統制の「確立」のみならず、「維持」し「効果的」とすることを期待(会員限定)

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