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【特集】~将来的には再度改訂議論の俎上に載せられる可能性~ 削除された英国コーポレートガバナンス・コード改訂案の全容

はじめに

英国FRC(財務報告審議会)が予定していたコーポレートガバナンス・コード(CGコード)の改訂のほぼすべてを取りやめたことは大きなサプライズとなったが(2023年12月11日のニュース「英国CGコード改訂案、大部分撤回の背景」」参照)、一部の改訂はロンドン証券取引所プレミアム市場の全上場会社を対象に、2025年1月1日以降に開始する会計年度から適用される。


英国FRC(財務報告審議会) : イギリスにおける会計基準設定主体。監査やコーポレートガバナンス・コード等も管轄している。

主な改訂点は、下記のとおり、(1)コーポレートガバナンスに関する開示の質を高めること、(2)取締役会の実効性評価を外部委託すること、(3)取締役会はリスク管理の構築と説明に責任を持つこと、(4)マルス条項クローバック条項を導入して説明すること、に集約される。

◆ コーポレートガバナンス情報の開示においては、取締役会が決定した結果(outcome)に焦点を当てる
◆ コーポレートガバナンス・コードにエクスプレインする際には、明確な説明(clear explanation)を行う
◆ 取締役会議長は、3年に1回の外部による取締役会の実効性評価を「検討(consider)」するではなく、(実際に)「委任(commission)」する
◆ 取締役会は、リスク管理と内部統制におけるフレームワークの有効性の確保や是正(improve)のため講じられた措置を、年次報告書で説明する
◆ 報酬契約にマルス・クローバック条項を定め、その発動条件(could be used)や適用状況(were used)などを年次報告書で説明する

冒頭で触れたとおり、今回の改訂は2023年5月23日に公表されパブリックコメントに付された改訂案からは大幅に後退したものとなった。以下、各章ごとに改訂案から具体的に何が削除されたのか見てみよう。

セクション 1 – 取締役会のリーダーシップと会社の目的(会員限定)

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