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【特集】ファミリーマート事件から考える非公開化取引の買収価格

フィデューシャリーアドバイザーズ代表
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター招聘研究員 吉村一男

はじめに

伊藤忠商事がファミリーマートを非公開化した際の株式公開買付(TOB)価格が再度否定された。

東京高裁は2024年10月31日、ファミリーマートが伊藤忠商事と合意したTOB価格(2,300円)よりも300円高い価格(2,600円)を「公正な価格」とする東京地裁の判断を支持し、ファミリーマートの抗告を棄却する決定を下した。M&A当事者が合意した価格を上回る「公正な価格」を認定した裁判は、2013年以降わずか1件しかなかったため、その衝撃は大きい。

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