CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)はもちろん、CTO(最高技術責任者)、CIO(最高情報責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)といった役職はだいぶ日本企業でも普及してきた。
これらに加え、最近注目を集めているのが「CRO(最高リスク管理責任者)」だ。CROとは「Chief Risk Officer(チーフ・リスク・オフィサー)」の略であり、企業における横断的なリスクマネジメントを担う最高責任者を指す。特に2008年の金融危機以降規制強化が進む欧米の金融機関ではCROの設置は一般化しており、欧州では保険会社のCROを対象とした「CROアセンブリ」と呼ばれる大規模な会議も開かれている。
CFOなどとともに、CEOを補佐する経営幹部に位置付けられるCROだが、CROは時にCEOに対する“ブレーキ役”も担う。CEOが推し進めたいと考える経営方針に対し、リスクマネジメントの観点から見直しを迫らなければならないこともあろう。CEOが企業の成長に責任を負うのに対し、CROは「企業の健全な経営に対して責任を負う」立場にあると言える。このため欧米では、・・・
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