投資にあたってESGを考慮する「ESG投資」は、2006年の国連によるPRI(Principles for Responsible Investment=責任投資原則)策定以降、欧州を中心に急速にメインストリーム(主流)化が進んでいる。2013年に行われた日本総合研究所による調査によると、2012年時点で、全世界の機関投資家が運用する運用資産の21.8%においてESG要因が考慮されているという。
PRI(Principles for Responsible Investment=責任投資原則) : 機関投資家に対し、投資判断プロセスにESGを反映することや、投資対象企業にESGに関する情報開示を求めることなどを提唱するもの。これに署名した機関投資家は、国連に投資の状況を報告する義務が生じるため、ESGを重視した投資を実践せざるを得ない。
日本ではSRI(Socially Responsible Investment=社会的責任投資)ファンドが個人向けのテーマ型投信などから始まったため、年金基金などはESG投資に対して漠然と“負のイメージ”を持っていることが少なくない(テーマ型ファンドの寿命は短く、比較的リスクが高いため)。しかし、実はESG投資は長期的な企業価値向上やリスク低減といった考え方との親和性が高く、英国ではスチュワードシップ責任の一貫としても捉えられていることを考えても、日本でも今後ますますその重要性が増す可能性は高い。
テーマ型投信 : 例えば環境、IT、クラウド、エネルギーなど、特定のテーマに関連した企業などに投資するファンドのこと。
一口にESG投資と言っても様々な手法があり、主なものとしては、・・・
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