例えば「合併」といった“重要事実” が会社から公表された前後に当該会社の株式を売買した場合、インサイダー取引規制を疑われかねないが、こうした重要事実を知る前に既にその会社の株式を売買することが決まっていたということも少なくない。例えばA社に影響力を持ちたいB社が、A社株式を保有するC社からA社株式を一定時期に購入する契約を締結する、従業員持株会が購入計画に基づいて株式を購入するーーといったケースだ。
重要事実を知る前に締結された契約は「知る前契約」、重要事実を知る前に決定された計画は「知る前計画」と呼ばれる。知る前契約や知る前計画に基づく株式の売買は「重要事実を知ったこと」とは無関係に行われるもの。このため、・・・
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