ESGを考慮する「ESG投資」のメインストリーム(主流)化が欧州を中心に進んでいるが(新用語・難解用語辞典「ESGインテグレーション投資」参照)、E(Environmental=環境)、S(Social=社会)、G(Governance=企業統治)のうち、環境問題などと比べると日本企業にとって馴染みが薄いのが主に「S」に属する人権問題だ。
しかし、実は企業活動が人権問題に抵触する可能性は決して低くない。劣悪な労働環境や長時間労働、低賃金、児童労働などが人権問題を引き起こすことは容易に想像できるが、製品やサービスの安全性、環境汚染、近年しばしば発生している個人情報の漏洩問題、プライバシーの侵害、さらには製品のデザインそのものまでもが人権問題へと発展することもあり得る。紛争鉱物の問題も、結果として紛争地域での人権侵害に加担しているという点で人権問題の1つと言える。
今のところ、(例えば労働法などの法令に違反する場合は別として)人権問題に真正面から取り組んでいる日本企業は多くないが、この状況を変える可能性があるのが、・・・
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