生命倫理、環境倫理、社会倫理に基づいた商品・サービスの選択を通じて、環境問題や社会問題の積極的解決に寄与しようとする消費者の購買行動のこと。「エシカル(Ethical=倫理的な)消費」とも言われる。
機関投資家が投資にあたってESG(環境、社会、ガバナンス)を考慮する「ESG投資」に注目が集まっているが、ESGのうち「環境(E)」や「社会(S)」を実現するためには、“消費者の力”は有効だろう。例えば消費者が「生産過程で環境破壊を伴う商品」や「原材料の採集や採掘などが児童労働に支えられている商品」などを買わないと宣言すれば、企業もそのような商品の生産や販売をやめるはずだからだ。
ただ、現実には、消費者がそのような行動をとるとは限らない。環境先進国と言われるドイツの消費者へのアンケートで、84%が「倫理的消費を支持する」と回答したものの、同時に61%が「生活水準を侵害しなければ」と回答したというデータもある。つまり、消費者は倫理的消費の重要性は認識していても、それを実行するかどうかは別問題ということだ。企業としても、消費者(特に購買力が高い消費者)が望まない限り、儲からない商品やサービスを扱うことは基本的にはないだろう。
そこで考えられるのが・・・
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