経営戦略の一環として、「不動産を保有するべきか売却するべきか」「保有する場合、どこにどのような不動産を、どのくらいの規模で保有するのか」などを検討し、不動産投資の効率を最大化させることにより企業価値の向上につなげていこうという考え方(CREとは「Corporate Real Estate(企業の不動産)」の略)。
日本企業の多くが不動産を保有しているが、不動産を“戦略的”に活用するところまでは至っていないケースが多いものと思われる。投資家からの「貴社の拠点(本社、支店、工場など)をそこに置いている理由は何ですか?」という問いかけに対し、自社の経営戦略を踏まえて回答できる経営陣は少ない。ましてや、「本社ビルの利回り」を即答できる経営陣はほとんどいないのではないだろうか。
保有する必要のない不動産を保有しているような企業も少なくない。不動産を大量に保有し、時価純資産価額が株式時価総額よりも高くなっている場合には、M&A(買収)のターゲットにされやすい(不動産の取得を狙ったいわゆる“不動産M&A”)。
時価純資産価額 : 「時価評価した資産-時価評価した負債」により算出される。
こうした中、近年注目を集めているのがCRE戦略だ。CRE戦略は、・・・
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