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(新用語・難解用語)ワーク・ライフ・ミックス

人事・労務用語として定着している「ワーク・ライフ・バランス」(仕事と生活の調和)は、「仕事」と「私生活」を切り離して考え、このうち仕事の時間を短縮し、その分私生活の充実を図るという意味で語られることが多い。実際、長時間労働解消のスローガンとして使われるケースがしばしば見受けられる。これに対し、仕事と私生活を無理に分けず、むしろ両者を一緒に(ミックス)して働くスタイルが「ワーク・ライフ・ミックス」だ。

近年、リクルートやパナソニック、日産自動車といった大企業も導入している在宅勤務などは、ワーク・ライフ・ミックスの1つの形と言える。一方、ファーストリテイリングが導入し話題を呼んだ「週休3日制」などは休日に仕事をしないこと(=仕事と私生活の分離)を前提にしていることから、ワーク・ライフ・バランスを重視した施策と言えよう。

ワーク・ライフ・ミックスの実現により、例えば自宅で仕事をしながら子育てや介護をすることも可能になるため、近年問題となっている育児や介護を理由とする退職を防ぐことができる。少子高齢化社会への対応が大きな課題となっている現在、ワーク・ライフ・ミックスは時代にマッチした考え方でもある。また、例えば研究職や商品開発職、クリエイティブ職など、「机に向かっている」ことと「成果」が必ずしもリンクしない職種にもワーク・ライフ・ミックスは向いている。むしろ、「ライフ」の中に新商品開発等につながるヒントが隠されていることは少なくないため、ワーク・ライフ・ミックスの採用により成果が上がることも考えられる。

このように、ワーク・ライフ・ミックスには間違いなく利点が存在しているものの、これを実際に導入している企業は、全体から見れば少数にとどまっている。その最大の理由は・・・

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