大手メーカーでは、競合他社の製品を分解し、ネジに至るまで徹底的に調べ上げるという。競合他社との差別化は経営陣にとって永遠の経営課題だが、市場が成熟し、各社の製品やサービスにも大きな差がなくなる中、製品やサービスそのものでの差別化は容易なことではない。
こうした中、近年注目されているのが「ソートリーダーシップ(Thought leadership)」という考え方だ。ソートリーダーシップとは、ソート(Thought)、すなわち企業としての「志」や「理念」「思い」などを掲げ、それに対して顧客や消費者からの共感を得ることで、結果的に競合他社との差別化や売上増加につなげていこうという一種のマーケティング手法である。また、会社の評判を高めるという観点に立てば、レピュテーションマネジメントの一種とも言えよう。
例えば、あるメーカーが「自然環境の保護」を経営理念に掲げ、「原材料から製造過程まで一貫してエコにこだわる」という方針を打ち出したとする。その結果、・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。