役員報酬改革が日本企業にとってテーマとなる中、最近聞かれるようになってきたのが「クローバック」という言葉だ。「取り戻す」と訳されるクローバック(claw back)は、役員報酬の文脈では「報酬の返還」を意味する。例えば、企業で何らかの不祥事が発生し、過去数年間分の財務諸表に修正が入った場合、修正前の財務諸表に基づき算定された年次賞与や権利が確定した中長期のインセンティブ報酬(権利行使可能となったストックオプションや、実際に株式が交付された株式交付信託、譲渡制限が解除されたリストリクテッド・ストック、実際に払い出された中長期のキャッシュプランなど)は、修正後の「正しい財務諸表」をベースに考えれば“払い過ぎ”ということになる。この払い過ぎていた部分(修正前の財務諸表に基づき計算された金額-修正後の財務諸表に基づき計算された金額)を企業が取り戻すことを一般に「クローバック」という。
日本企業でも、・・・
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