年金制度を確定給付年金から確定拠出年金に変更する上場企業は少なくないが、確定拠出年金の受給額は、必ずしも運用の専門家でない受給者個人が選択した運用方法・方針に左右されるため、運用の失敗により退職後の生活が脅かされかねないというリスクを抱えている。それゆえ、企業における従業員の投資教育の問題もある。
こうした確定拠出年金のデメリットを補う可能性があるのが、集団型確定拠出年金だ。集団型確定拠出年金とは、確定給付年金のように、企業単位等で各個人ファンドをとりまとめ、一括して運用を行う仕組み。各個人が自身のファンドの運用方法・方針を決める確定拠出年金と異なり、集団でリスクをシェアすることになり、受給者1人1人へのマーケットインパクトを集団で吸収することができるのが最大の特徴にしてメリットと言える。また、運用を一元化することで運用コストが削減され、その分を受給額に回せるとも言われる。
集団型確定拠出年金は既にカナダやオランダでは導入されているほか、イギリス政府も今月になって導入の方針を発表しており、今後日本にもその波が押し寄せて来る可能性がある。
もっとも、集団型確定拠出年金にもデメリットがないわけではない。
まず、・・・
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