昨年(2013年)秋の臨時国会において、米国でいうクラスアクションに相当する集団訴訟を可能にする法律「消費者裁判手続特例法」が成立したが(施行は2013年12月11日の公布日から3年以内)、米国のような濫訴*を防ぐため、同法では個々の消費者による提訴は認めず、政府が認定した消費者団体が「実際に被害を受けた個々の消費者に代わって」損害賠償請求訴訟を提起する仕組みとなっている(2014年3月19日のニュース「集団訴訟の対象とならないためにやるべきこととは?」参照)。この「政府が認定する消費者団体」が特定適格消費者団体である。今後、企業と対峙することになる可能性があるだけに、企業にとっては気になる存在だろう。
* むやみやたらに訴訟を起こすこと。
消費者裁判手続特例法の附則に「特定適格消費者団体が権限を濫用することがないよう検討を行い、必要な措置をとる」旨規定されているように、特定適格消費者団体は政府の厳格な認定・監督を受けることになる(団体の認定・監督指針は、現在消費者庁で検討中)。このため、特定適格消費者団体になれるのは、2006年の消費者契約法改正により消費者に代わって契約の不当な勧誘や不当条項の差し止めを求めることができることとされた「適格消費者団体」のうち一定の実績を積んだ団体で、かつ、政府の認定を受けたところに限定される。適格消費者団体は現在のところこちらの11団体となっている。
これまで、適格消費者団体が事業者に対して販売の差し止めを求める場合には、実際にアクションを起こす前に・・・
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