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(新用語・難解用語)垂直統合型事業モデル

 ある事業の上流から下流までの業務を統合した経営手法のこと。研究開発、部品製造、組立てから販売に至るまでの業務が系列企業グループ内で完結することが多い自動車業界などは垂直統合型事業モデルの典型と言える。

 系列外からの新規参入が困難であるなど、その閉鎖性が批判の対象になることもある垂直統合型事業モデルだが、経営上のメリットは大きい。バリューチェーン*が複数の独立した(系列関係にない)企業によって構成されている場合、どうしても中間コストが多くなり(川上の供給元は川下の供給先に対し、より高い値段で製品等を売ろうとするため)、最終的な製品やサービスの価格は高くなるとともに、利幅も薄くなりがち。これに対し、垂直統合型事業モデルでは中間コストを削減することが比較的容易なため、販売価格の低下や利益の確保につながりやすい。大手スーパーによるPB商品(プライベートブランド)や大手アパレルなどによるSPAも、下流工程に位置する小売業者が上流工程の原材料調達や開発、生産までを垂直統合したことにより実現したものである。また、垂直統合型事業モデルでは、そこに所属する企業が系列関係にあるということで、部品等の安定供給につながるというメリットもある。

* 購買した原材料に対し、技術開発、生産、販売、人材育成といった一つひとつの企業活動が価値を付加し、これらが一連となって、最終的に顧客に対する価値が生み出されるとする考え方

 垂直統合型事業モデルと対照的な概念が、・・・

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