アベノミクスの流れの中で従業員の給与引上げに踏み切る上場企業は少なくないが、給与を引き上げれば会社財産の減少につながる以上、引上げにあたっては、現在の給与水準に対する評価・検証も必要になる。
そのモノサシとして有効なのが「付加価値労働生産性」だ(単に「労働生産性」ということもある)。付加価値労働生産性とは、従業員1人当たりが生み出している付加価値(売上高-前給付原価 )額を示すもので、下記の算式により算出される。付加価値労働生産性が高いということは、少ない従業員数で大きな付加価値を獲得しているということを意味している。
付加価値労働生産性 = 付加価値 ÷ 従業員数
付加価値労働生産性(=従業員1人当たりの付加価値額)が同業他社より低く、売上高人件費比率 も低ければ、給与引上げにも合理性がある。むしろ、待遇を改善することで、従業員のモチベーションを挙げることが経営課題と言えるだろう。
付加価値労働生産性とトレードオフの関係にあるのが・・・
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