企業価値を評価する手法の1つ。
ディスカウント・キャッシュフロー(DCF)法による企業価値のベースとなるのが、文字通り企業が将来にわたって稼ぐと予想される「キャッシュ(現金)」だ。これは、企業は株主・債権者から集めた資金で事業を行ってキャッシュを稼ぎ、このキャッシュを原資に株主還元や債権者への利払い・債務の返済を行うことになるため。このようなキャッシュは、経営陣が自由に使い道を決めることができる資金という意味で「フリー・キャッシュフロー(FCF)と言われる。
企業に資金を投じた株主や債権者は、当然ながら一定の収益率(銀行預金でいう金利)をあげることを期待している。この収益率は、企業から見れば「資金調達に伴うコスト」であるため、資本コストと呼ばれる。
DCF法では、「資本コスト(収益率)」を使って、企業が将来にわたって稼ぎ出すFCFを企業価値に置き換えることになる。FCFを企業価値に置き換えることを「現在価値に割り引く」という(詳細は後述)。
以下、企業価値の計算式を構成する各要素や、「現在価値に割り引く」プロセスについて詳しく説明しよう。・・・
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