「経済」「環境」「社会」という企業のCSR活動を評価する3つの視点のことを指す。「ボトムライン」とは本来は会計用語であり、「損益計算書の一番下の行」すなわち通常は当期純利益を指すが(損益計算書における一番上の行にある売上高は「トップライン」と呼ばれる)、トリプルボトムラインという言葉には、本来のボトムライン(当期純利益=経済)と同様に、「環境」や「社会」といった視点で企業を評価することも重要であるという意味が込められている。ここでいう「環境」とは例えば環境汚染への配慮、CO₂排出量の削減、資源の節約などを指し、「社会」とは例えば開発途上国での雇用の創出や従業員のワークライフバランスへの配慮、製品の安全性へのこだわりなどが挙げられる。
トリプルボトムラインという言葉は、1997年に英国のコンサルティング会社であるサステナビリティ社のジョン・エルキントン社長により提唱されたが、グローバル化により企業が巨大化し、社会、そして全世界に与えるインパクトが大きくなるにつれ、注目度が高まっていった。
このような普及の経緯や、「企業の社会的責任」というCSRの日本語訳のイメージから、トリプルボトムラインは「企業を業績面(経済面)のみから評価するのではなく・・・・」といった説明がされることが多く、「経済」よりも「環境」や「社会」が強調されがちだが、・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。