「Return On Invested Capital」の略で、日本語では「投下資本利益率」と呼ばれる。文字通り、「企業が投資した資金に対してどれだけ効率的に利益を上げているか」という資本効率を表す指標である。
資本効率を表わす指標というと、企業の自己資本に対する当期純利益の割合であるROE(Return On Equity=自己資本利益率)を思い浮かべる向きも多いだろう。ROEは機関投資家が最も重視する指標の1つだが、実は2つの問題点がある。具体的に説明しよう。
ROEは下記の算式により算出される。
ROE=純利益 ÷ 自己資本
自己資本は企業に対する株主の持分であるため、ROEは「企業が株主から調達した資金をどの程度効率的に使って利益を上げたか」を表す指標と言える。ROEが低い場合、株主は「企業が資金を効率的に使っていない」と判断し、配当や自己株式取得による株主還元を要求することがある。
このROEには、以下のような問題点がある。・・・
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