2022/02/28 2022年2月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)

不正解です。
コーポレート・ガバナンス報告書における「中核人材における測定可能な目標」(補充原則2-4①)の開示にあたり、女性管理職についてシンプルに「女性活躍推進法に基づく行動計画」のURLのみを記載している企業も散見されますが、読み手にとっては、最低限の情報はコーポレート・ガバナンス報告書で確認したうえで、必要があればホームページを参照できるようになっている方が圧倒的に利便性が高いと言えます(問題文は誤りです)。せめて「現状が〇%で目標は〇%」程度の情報はコーポレート・ガバナンス報告書に記載しておくべきです。

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2022年2月8日 中核人材、「測定可能な目標」と「その状況」の開示実態(会員限定)

2022/02/28 2022年2月度チェックテスト第3問解答画面(正解)

正解です。
コーポレート・ガバナンス報告書における「中核人材における測定可能な目標」(補充原則2-4①)の開示にあたり、女性管理職についてシンプルに「女性活躍推進法に基づく行動計画」のURLのみを記載している企業も散見されますが、読み手にとっては、最低限の情報はコーポレート・ガバナンス報告書で確認したうえで、必要があればホームページを参照できるようになっている方が圧倒的に利便性が高いと言えます(問題文は誤りです)。せめて「現状が〇%で目標は〇%」程度の情報はコーポレート・ガバナンス報告書に記載しておくべきです。

こちらの記事で再確認!
2022年2月8日 中核人材、「測定可能な目標」と「その状況」の開示実態(会員限定)

2022/02/28 2022年2月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)

不正解です。
ESGファンドの運用コストは一般的に高いと言われています(問題文は正しいです)。なぜなら、ESG投資には、ESG課題への対処に優れた企業を発掘するための綿密なリサーチに加え、企業との対話が求められるところ、綿密なリサーチには高いデータコストを要し、企業との対話にはそれを担う人材と専門部署が必要になるからです。

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2022年2月7日 構成銘柄の株価下落でクローズアップされるESG投資のアキレス腱(会員限定)

2022/02/28 2022年2月度チェックテスト第2問解答画面(正解)

正解です。
ESGファンドの運用コストは一般的に高いと言われています(問題文は正しいです)。なぜなら、ESG投資には、ESG課題への対処に優れた企業を発掘するための綿密なリサーチに加え、企業との対話が求められるところ、綿密なリサーチには高いデータコストを要し、企業との対話にはそれを担う人材と専門部署が必要になるからです。

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2022年2月7日 構成銘柄の株価下落でクローズアップされるESG投資のアキレス腱(会員限定)

2022/02/28 2022年2月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)

不正解です。
取締役の「スキル等の組み合わせ」の情報は、株主総会後にアップデート版が公表されるコーポレート・ガバナンス報告書ではなく、株主総会前に株主が確認できる招集通知で開示されている方が、株主の議決権行使に資することから株主にとって有用性は高いと言えます(問題文は「コーポレート・ガバナンス報告書」の方が「招集通知」よりも株主にとっての有用性が高いとしている点で誤りです)。

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2022年2月3日 「スキル等の組み合わせ」開示、様子見企業相次ぎコンプライ率が大幅低下(会員限定)

2022/02/28 2022年2月度チェックテスト第1問解答画面(正解)

正解です。
取締役の「スキル等の組み合わせ」の情報は、株主総会後にアップデート版が公表されるコーポレート・ガバナンス報告書ではなく、株主総会前に株主が確認できる招集通知で開示されている方が、株主の議決権行使に資することから株主にとって有用性は高いと言えます(問題文は「コーポレート・ガバナンス報告書」の方が「招集通知」よりも株主にとっての有用性が高いとしている点で誤りです)。

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2022年2月3日 「スキル等の組み合わせ」開示、様子見企業相次ぎコンプライ率が大幅低下(会員限定)

2022/02/28 【2022年3月の課題】各運用機関の2022年議決権行使方針

2022年3月の課題

2022年6月の株主総会シーズンに向けて、多くの機関投資家が議決権行使ガイドラインの改定を実施しています。

主要国内機関投資家の改定内容を確認し、本年の株主総会において自社が留意すべき点について考えてみてください。

これまでに議決権行使方針の改定を公表した主な投資家は以下のとおりです。

野村アセットマネジメント(2021年11月公表)

大和アセットマネジメント(2021年11月公表)
(大和アセットマネジメントが2022年5月11日に実施した議決権行使基準の再改定に関する補記はこちらを参照)

りそなアセットマネジメント(2021年11月公表)

三井住友トラスト・アセットマネジメント(2021年12月公表)

ブラックロック・ジャパン(2021年12月公表)

三井住友DSアセットマネジメント(2021年12月公表)

日興アセットマネジメント(2022年2月公表)

三菱UFJ信託銀行(2022年2月公表)

三菱UFJ国際投信(2022年2月公表)

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2022/02/28 【役員会 Good&Bad発言集】「ビジネスと人権」への対応(3)(会員限定)

<解説>
人権デュー・ディリジェンスの4つのステップ

前回までは(1)で「ビジネスと人権」への対応についての総論を述べたのち、(2)で「人権方針」について解説したところです。

「ビジネスと人権」への対応(1):「ビジネスと人権」への対応についての総論
「ビジネスと人権」への対応(2):人権方針
「ビジネスと人権」への対応(3):人権デュー・ディリジェンス(人権への悪影響の特定)
「ビジネスと人権」への対応(4):人権デュー・ディリジェンス(その他のステップ)
「ビジネスと人権」への対応(5):苦情処理および是正措置(救済措置)
「ビジネスと人権」への対応(6):人権問題であることへの気付き

今回は、「人権デュー・ディリジェンス」のうち「人権への悪影響の特定」について解説します。

国連人権理事会が策定した「ビジネスと人権に関する指導原則」(以下、指導原則)では原則15bにおいて、人権デュー・ディリジェンスとは、人権への影響を特定し、防止し、軽減し、そしてどのように対処するかについて責任を持つために実施するプロセスであると説明しています。経済産業省と外務省が2021年8月末に東証一部・二部上場企業等2,786社を対象に実施した「日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取組状況のアンケート調査」の集計結果(2021年11月30日公表。以下、アンケート調査結果)によると、回答があった企業760社のうち約7割(69%、523社)が人権方針を策定し、約5割(52%、392社)が人権デュー・ディリジェンスを実施しています(集計結果の3ページ参照)。人権方針を公表した企業の多くが、人権デュー・ディリジェンスにも取り組んでいる様子がうかがえます。

人権デュー・ディリジェンスの実施手順は「人権への悪影響の特定」「人権に関する悪影響の予防・軽減」「対応の実効性の追跡調査」「情報発信と外部とのコミュニケーション」の4つのステップに分けて考えることができます(下のステップの図は外務省のパンフレットより引用)。
61648a

上図の「求められること」には、指導原則の18から21までに記載されている内容がわかりやすくコンパクトにまとめられており、和訳が分かりづらい指導原則を読み解くにあたって参考になります。

「人権への悪影響の特定」の留意点

「人権への悪影響の特定」で注意したいのは、指導原則において企業が特定すべきとされているのはあくまで人権への「悪影響」(指導原則の和訳では「負の影響」と訳されています)に限定されているという点です。「悪影響」(負の影響)は人権リスクとも言われています。リスクというと、「為替変動リスク」のように「負」(マイナス)だけでなく「正」(プラス)も対象に含まれているように見える余地もありますが、指導原則では最初から「負の影響」に限定して議論を進めており、侵害が生じていない「正の影響」は少なくとも人権リスクの観点から考慮する必要はありません。

経団連がまとめた「人権を尊重する経営のためのハンドブック」(以下、経団連ハンドブック)の31ページに、企業が関係する人権への負の影響の例が示されていることから紹介します。「関係の態様」ごとに影響例が整理されており、大変参考になります。

〔企業が関係する人権への負の影響の例〕
(United Nations Human Rights Office of the Higi Commissioner “The Corporate Responsibility to Respect Human Rights : An Interpretive Guide”(2012)および「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を基に経団連が作成)
「原因となる」 自社の活動が単独で直接人権に負の影響を引き起こしている場合 ・雇用慣行における女性もしくはマイノリティの人々への差別
・店舗での接客における日常的な人種差別
・適切な安全装置がない自社の工場での危険な労働
「助長する」 第三者の意志や決定と合わさることにより、あるいは自社の意志や行動により第三者が動機づけられたことで助長もしくは加担している場合 ・製造期限や価格を調整することなく、納期直前に注文内容を変更し、サプライヤーにおける労働基準違反を誘発
・インターネットサービス利用者に関するデータを政府に提供し、反体制活動家に対する追跡・訴追を誘発
「直接結びつく」 サプライヤーや販売先などの取引関係によって自社の製品やサービスなどが直接人権侵害につながっている場合 ・下請業者が契約上の義務に反して作業を再委託し、児童労働が発生
・児童労働により採掘された鉱物を調達し、自社の製品に使用
・合意された条件に反して、コミュニティの強制退去を招く事業活動をする企業への融資

経団連ハンドブックの36ページには業種別の人権リスクの例が、また同38ページには権利保持者別の人権リスクの例が記載されているので参考になります。もっとも企業が置かれた環境によって人権リスクは各社様々と言え、こういったひな形を利用するだけだと人権リスクの拾い漏れが生じる可能性があります。拾い漏れを防ぐためには、人権問題に知見を有するNPO/NGOなどの外部の専門家の力を借りるとよいでしょう。人権デュー・ディリジェンスの出発点である「人権への悪影響の特定」のところで重要な人権リスクを拾い漏れしてしまっては、そのあとのステップをどんなに充実させたところで、人権デュー・ディリジェンスが全体として不十分なものになってしまいます。しっかりとリソースを割いて「人権への悪影響の特定」に漏れがないようにする必要があります。

ただ、人権問題に知見を有するNPO/NGOの活用にあたっては、「NPO/NGOは他の組織との横のつながりが強いので、悪い印象の情報が流れると、潜在的なリスクを増やすことになる。」点に留意すべきです(日弁連の「人権デュー・ディリジェンスのためのガイダンス(手引)」(以下、日弁連ガイダンス)の46ページ)。さらに、日弁連ガイダンスには「質問・回答のやり取りや継続協議を行った NPO/NGOとは、将来に向けた協力関係を構築しておくことが、自社にとって一種の安全保障となる。例えば、事故や不祥事が発生したときに、対応方針のアドバイスをもらう等、敬意と透明性をもって付き合うことが肝心である。また、再発防止委員会に参加を依頼し、健全性を重視する姿勢を理解してもらうことも重要である。」とも記載されており、NPO/NGOとの付き合い方としてぜひとも参考にしたいところです。

また、「人権への悪影響の特定」では人権デュー・ディリジェンスの対象範囲についてもしっかりと検討をしておくべきです。なぜなら、社内ではしっかりと人権を尊重している企業であっても、取引先の工場の労働環境が劣悪だったり、児童労働や奴隷的な労働により製品が製造されていたりするのであれば、サプライチェーンの全体を見れば人権に悪影響を及ぼすビジネスを展開していることになるからです。また、直接仕入先では人権が尊重されていたとしても、その直接仕入先に部品を納品する別のメーカー(間接仕入先)の工場の労働環境が劣悪である可能性もあります。そうなると一体どこまで遡らないといけないのかという問題に直面します。この点、経済産業省と外務省が実施したアンケート調査結果によると、人権デュー・ディリジェンスを実施した企業392社のうち、国内の直接仕入先まで対象範囲にしている企業は244社(62%)であり、海外の直接仕入先まで対象範囲にしている企業は192社(49%)と半数を割り込んでいることが分かりました。間接仕入先となると99社(25%)と4社に3社は対象に含めていません(2021年12月10日のニュース「上場企業における人権方針と人権デュー・ディリジェンス対応の実態」を参照)。

理屈から言えば、遡ることができる限りすべて遡るのが適切ということになるのかもしれませんが、そうすると調査コストがはねあがってしまうため、実務においてはどこかで区切りを付けざるを得ません。そこで、リスクに優先順位を付け、負の影響のリスクが最も重大な事業またはビジネス上の関係先を特定し、それを評価・モニタリングの対象として優先させる必要があります。経団連ハンドブックの32ページによると、優先順位付けにあたっては、自社や事業にとっての重要性(マテリアリティ)に加えて、人権への負の影響の深刻さ(セイリエンス/顕著さ)という観点から評価することが勧められています。セイリエンスは、範囲、規模、修復不可能性により判断することになります。

経団連ハンドブックの32ページによると、人権リスク評価の大まかな流れとして、リスクベース・アプローチが紹介されています。これは、最初にスコーピング(範囲確定作業)を行い、顕著な人権リスクを特定して、デュー・ディリジェンスの範囲を絞り込み、さらに重点的に調査を行っていくという手法であり、リスクの高いところを重点的に対処する手法です。経団連ハンドブックには一例として下図の流れが紹介されています。
61648b
そうは言っても、仕入先などに情報共有を求めたところで、対応を拒まれる可能性も十分に考えられます。そういった事態に備えて、取引基本契約書には「CSR(Corporate Social Responsibility)条項」を入れておきましょう。CSR条項とは仕入先などに対し CSR調達基準や行動規範等を遵守する義務を負わせる条項のことです。日弁連ガイダンスによると、CSR条項は「サプライチェーン全体を通じた人権・CSR 配慮を実効的に推進するための法的ツール」と位置付けられており、仕入先のCSR行動規範等の遵守状況に関する報告義務、仕入先のCSR行動規範違反等が判明した場合の通報義務、発注企業による仕入先に対する調査権・監査権等を盛り込むことで、人権リスクが可視化されるというメリットがあることから、未導入の企業では人権デュー・ディリジェンスの実施に先駆けて導入しておきたいところです(具体的な条項は日弁連ガイダンスの61ページのCSR条項モデル条項例を参照)。

さて、以上の解説をご覧いただければ、誰の発言がGOOD発言か、もうお分かりですね。正解は以下のとおり。

<正解>
GOOD発言はこちら

取締役C:「人権デュー・ディリジェンスに取り掛かる前に、まずは仕入先との取引基本契約書にCSR条項を導入することを検討してはいかがでしょうか。」
コメント:仕入先との取引基本契約書にCSR条項がなければ、人権デュー・ディリジェンスの実施にあたり、仕入先とイチから交渉をしなければならず、効率的ではありません。人権デュー・ディリジェンスに取り掛かる前に仕入先との取引基本契約書にCSR条項を導入することを提案する取締役Cの発言は正論であり、Goodです。

BAD発言はこちら

取締役A:「当社やサプライヤーが進出している国で起きている人権侵害であれば、たとえ当社とは関係がない人権侵害であってもすべて対応しなければならないことから結構手間が掛かりますね。」
コメント:人権デュー・ディリジェンスにおいては、『企業が関係する』人権への負の影響を特定する必要があるのであり、進出先の国で起きている人権侵害のうち『企業が関係しない』人権侵害まで対応を求められているわけではないので、取締役Aの発言はBad発言です。

取締役B:「そうですね。それだけでなく、リスクとは『負』だけでなく『正』も含む概念である以上、人権デュー・ディリジェンスにおいて企業が人権を尊重することによる『正』の影響についても特定する必要があるかと思います。」
コメント:人権デュー・ディリジェンスにおいては、企業が関係する人権への『負』の影響を特定したり『負』の影響の軽減策を講じたりする必要があるのですが、『正』の影響は考慮する必要はないので、取締役Bの発言はBad発言です。