不正解です。
CG報告書の更新履歴一覧を「別紙」として掲載することは、問題文のとおり、ガバナンス改善に対する取り組みの経緯を把握するうえで非常に有効です。手間もかからないことから、上場企業はすぐにでも取り組みたいところです。
2019/03/29 2019年3月度チェックテスト第4問解答画面(正解)
正解です。
CG報告書の更新履歴一覧を「別紙」として掲載することは、問題文のとおり、ガバナンス改善に対する取り組みの経緯を把握するうえで非常に有効です。手間もかからないことから、上場企業はすぐにでも取り組みたいところです。
2019/03/29 2019年3月度チェックテスト第3問解答画面(不正解)
不正解です。
CG報告書は内容の変更がある都度提出するのが原則となっていますが、この原則に従えば、CG報告書の「取締役会の活動状況(開催頻度、主な検討事項、個々の役員の出席状況等)」の記載は取締役会を開催する都度アップデートしなければならないようにも見えます。東証は、そうしてはいけないという理由はない以上、取締役会を開催する都度CG報告書を提出しても構わないとしています。もっとも、東証は、CG報告書も有価証券報告書と平仄を合わせ、年に1回アップデートするということでも問題ないとしています(問題文の「必ず」は誤りです)。
こちらの記事で再確認!
2019年3月12日 CG報告書のアップデートの頻度(会員限定)
2019/03/29 2019年3月度チェックテスト第3問解答画面(正解)
正解です。
CG報告書は内容の変更がある都度提出するのが原則となっていますが、この原則に従えば、CG報告書の「取締役会の活動状況(開催頻度、主な検討事項、個々の役員の出席状況等)」の記載は取締役会を開催する都度アップデートしなければならないようにも見えます。東証は、そうしてはいけないという理由はない以上、取締役会を開催する都度CG報告書を提出しても構わないとしています。もっとも、東証は、CG報告書も有価証券報告書と平仄を合わせ、年に1回アップデートするということでも問題ないとしています(問題文の「必ず」は誤りです)。
こちらの記事で再確認!
2019年3月12日 CG報告書のアップデートの頻度(会員限定)
2019/03/29 2019年3月度チェックテスト第2問解答画面(不正解)
不正解です。
英国ではコーポレートガバナンス・コードが改訂(2019年1月から適用が開始)、役員向けの年金と従業員向けの拠出率を整合的な水準にすべきとの内容が追加されています。これを受け英国の上場企業側も敏感に反応し、大手企業を中心に年金規約を改定して役員向けの年金の拠出率を引き下げる動きが続出しています。
こちらの記事で再確認!
2019年3月4日 役員報酬の次は「役員年金」がターゲットに(会員限定)
2019/03/29 2019年3月度チェックテスト第2問解答画面(正解)
正解です。
英国ではコーポレートガバナンス・コードが改訂(2019年1月から適用が開始)、役員向けの年金と従業員向けの拠出率を整合的な水準にすべきとの内容が追加されています。これを受け英国の上場企業側も敏感に反応し、大手企業を中心に年金規約を改定して役員向けの年金の拠出率を引き下げる動きが続出しています。
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2019年3月4日 役員報酬の次は「役員年金」がターゲットに(会員限定)
2019/03/29 2019年3月度チェックテスト第1問解答画面(正解)
正解です。
ユニバーサル・オーナーとは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のように保有する資産規模が巨額に上り、市場の一部を“市場と同じバランス”で保有している(この状態を指して、市場全体の「スライス」を保有していると表現されることもあります)投資家や資金拠出者のことです。
2019/03/29 2019年3月度チェックテスト第1問解答画面(不正解)
不正解です。
ユニバーサル・オーナーとは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のように保有する資産規模が巨額に上り、市場の一部を“市場と同じバランス”で保有している(この状態を指して、市場全体の「スライス」を保有していると表現されることもあります)投資家や資金拠出者のことです。
2019/03/28 【失敗学第58回】日産自動車の事例
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2019/03/28 【失敗学第58回】日産自動車の事例(会員限定)
概要
日産自動車(東証一部)のカルロス・ゴーン元会長が、報酬額の過少開示や不正な資金支出を理由に逮捕された。
経緯
日産自動車が、2019年3月にガバナンス改善特別委員会の報告書およびガバナンス改善に向けた実行計画を公表するまでの経緯は次のとおり。
1999年
ルノーの上席副社長(当時)のカルロス・ゴーン氏が日産自動車の代表取締役に就任。
2010年
金融商品取引法に基づく開示ルールが改正され、2010年3月31日を末日とする事業年度に関して提出される有価証券報告書から、上場会社は、当該上場会社および連結子会社から受け取る連結報酬総額が1億円以上の役員(取締役、監査役および執行役)の氏名および連結報酬総額の開示を義務付けられることとなった。
2018年
夏頃:日産自動車の監査役がカルロス・ゴーン会長(当時)の不正行為の疑いに関する内部通報を受ける。当該監査役は、内部通報が信用できるか否かについて社内外のリソースを活用して内部調査を実施。
10月:日産自動車のコンプライアンス部門が監査役の内部調査結果を引き継ぐ。
11月19日:日産自動車のカルロス・ゴーン会長(当時)およびグレッグ・ケリー代表取締役(当時)の両名が東京地検特捜部により逮捕される(リリースはこちら)。
11月22日:日産自動車の取締役会は、ゴーン氏の会長職ならびにゴーン氏およびグレッグ・ケリー氏の代表権を解くことを決議。
12月10日:ゴーン氏、ケリー氏の両名および日産自動車が金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)により起訴される(リリースはこちら)。
12月17日:日産自動車の取締役会は、独立第三者委員4名および同社の独立社外取締役3名により構成される「ガバナンス改善特別委員会」の設置を決議(リリースはこちら)。
2019年
1月11日:ゴーン氏が会社法違反(特別背任罪)により起訴される(リリースはこちら)。
1月24日:日産自動車は、ゴーン氏およびケリー氏の両取締役の解任、および新たにルノーが指名する取締役1名の選任を目的とした臨時株主総会を4月中旬に開催する方向で検討を開始。
2月1日:日産自動車はガバナンス改善特別委員会に内部調査報告書を提出。
2月12日:日産自動車はゴーン氏の取締役報酬に係る有価証券報告書における虚偽記載に関し、内部調査および検察による起訴内容に基づき、2019年3月期第3四半期連結累計期間において財務諸表に取締役報酬額を追加計上したことを公表し、その翌々日(2月14日)には、上記財務諸表を含む四半期報告書を関東財務局に提出。
3月6日:ゴーン氏が釈放される。
3月27日:日産自動車は、ガバナンス改善特別委員会が同社取締役会に提出した報告書を公表。
3月29日:日産自動車は臨時取締役会を開催し、指名委員会等設置会社へ移行する方向で準備を進めていくことを確認するとともに、2019年6月開催予定の定時株主総会に向けて、取締役会メンバー候補者の選定と報酬案を検討し、取締役会へ助言を提供するために、「暫定指名・報酬諮問委員会」を設置することを決議(リリースはこちら)。
内容・原因・改善策
日産自動車が2019年3月に公表したガバナンス改善特別委員会の報告書によると、本件の問題点の主な内容とその原因、再発防止策は次のとおりである。
| 内容 | ゴーン氏は、投資家等による高額報酬批判をかわすため、取締役報酬の一部について支払時期を退任後に繰り延べる(繰延報酬)などして有価証券報告書における自らの取締役報酬の金額を少なく開示していた。2010年3月期以降、有価証券報告書で開示されたゴーン氏の報酬額は以下のとおりである。
・2010年3月期以降、繰延報酬について、ケリー氏をはじめとする特定少数の者の間で、開示せずに支払う方法について様々な検討が行われた。退職後の報酬についても、繰延報酬相当額の支払方法の一つとして、または退職後における別個の報酬として、支払うことが検討された。上記検討に際して作成された書面も残されており、ゴーン氏の署名が付されたものもある。 |
||||||||||||||||||||
| 原因 |
(権限の集中化) ・日産自動車の取締役会決議により、ゴーン氏に対し、自身の報酬の決定も含む、取締役およびトップラインマネジメント(副社長、専務執行役員、常務執行役員および理事を含む)の報酬を決定する権限が一任されていた。 ・個々の取締役およびトップラインマネジメントの報酬額については、ゴーン氏が実質的にすべて一人で決定していた。ゴーン氏が決定した個々の報酬の支払いは秘書室が担当しており、秘書室から他部署に個々の取締役およびトップラインマネジメントの報酬額に関する情報が出ることはなかった。 (書類の改ざん) ・2007年に株主総会で承認された役員退職慰労金の打切支給としてゴーン氏に支払われる金額を増額するため書類の改ざんがなされた。 ・株価連動型インセンティブ報酬の開示を避けるため、報酬内容の操作や書類の改ざんがなされた。 (誰もゴーン氏に異を唱えない企業風土) ・ゴーン氏は、日産自動車の破綻を救った救世主として日産社内においてある種の神格化が進んでおり、ゴーン氏の活動は社内では不可侵領域化していた。また、仮にルノーの筆頭株主であるフランス政府が日産自動車の経営に介入してきた場合には日産自動車を守ってくれるはずであるとして、尊敬と信頼を集めていた。 ・ゴーン氏の人事政策が不公正・不透明であり、ゴーン氏の意見に異を唱えた人材が左遷・退社させられているという指摘が複数見られた。 (一部の管理部署のブラックボックス化) ゴーン氏は、人事本部、CEO オフィス、秘書室、法務室、内部監査室等、数々の主要な部署の責任者たる地位をケリー氏をはじめとする特定少数の者に集中させ、ゴーン氏の報酬や会社資金・経費の私的利用に関与する役職員を限定した。これらの責任者は、報酬支払いや資金の私的利用に関連する問題を他部署などから指摘された場合、「CEO案件」であると説明するなどして詳細の説明を拒んでいた。 (取締役会の機能不全) ・2018年6月に2名の独立社外取締役が新たに就任するまでは、取締役会の開催時間は平均して20分足らずであった。 ・ゴーン氏は、取締役会において、質問や意見が出ることを嫌い、意見等を述べた取締役や監査役を会議後自室に呼んだり、いわゆる「うるさい監査役」については再任しなかった。ゴーン氏から「何も言わない監査役を探してこい」と言われた者もいた。取締役会は活発な議論を行う雰囲気ではなかった。 |
||||||||||||||||||||
| 再発防止策 |
(総論) ・2019年6月末をもって、指名委員会等設置会社に移行する。 ・取締役の過半数は、独立性を有する社外取締役とする。 ・取締役の人数は、活発な議論と迅速な意思決定を可能にする適切な規模とする。 ・社外取締役の視点の多様性を確保するために、社外取締役の国籍およびジェンダーを含むダイバーシティへ十分配慮する。 (指名委員会) ・指名委員会の委員の過半数は、独立性を有する社外取締役とする(なお、指名委員会の委員全員が独立性を有する社外取締役であれば、より望ましい)。 ・指名委員会の委員長は独立性を有する社外取締役とする。 ・指名委員会は、5名程度の取締役で構成する。 ・指名委員会は、取締役の選解任の決定権限のみならず、代表執行役の選解任の提案権限を有する。 ・指名委員会は、定期的に取締役会の構成員を入れ替えることを目標とする。 ・指名委員会の委員は、指名委員会における自身の再指名の審議および決議には参加してはならない。 (報酬委員会) ・報酬委員会の委員はすべて、独立性を有する社外取締役とする。 ・報酬委員会は、3~5 名程度の取締役で構成する。 ・報酬委員会は、取締役のみならず、代表執行役の個別報酬額の決定権限を有する。 (「取締役会議長」および「会長」) ・「取締役会議長(Board Chair)」は、独立性を有する社外取締役がこれに当る旨、定款・取締役会規程で規定する。 ・「会長(Chairman)」職を廃止する。 (取締役会の監督機能の補完措置) ・独立性を有する社外取締役のみによる会合を定期的に開催することが望ましい。筆頭独立社外取締役を定め、上記会合の議長も筆頭独立社外取締役が務めることが望ましい。 ・新たに事務局を設置して、取締役会のサポートと、独立性を有する社外取締役のみによる会合のサポートを行う。上記事務局スタッフの人事が執行役の意向のみによって決定されない体制(事務局スタッフの人事評価は社外取締役のみによる会合での協議で行い、その人事異動や懲戒処分については、あらかじめ当該会合での同意を得るなど)とする。上記事務局は取締役会の指示のもと、取締役間の情報格差解消のための措置や、利益相反取引となり得る議案のチェックなど、執行役に対する監督のため必要となる活動を行う。 ・取締役会の実効性評価に際して、第三者評価機関を活用する他、特に取締役会の監督機能の実効性については、監査委員会による適切な監査を期待する。 (執行役) ・日産自動車の代表執行役は、ルノーその他の主要株主または三菱自動車工業の取締役、執行役その他の役職員を兼任してはならない。 (執行役による取締役会への情報提供) ・各取締役が、エグゼクティブコミッティ等の経営会議体に関するすべての資料・データにアクセスできるようにする。 ・取締役会に対して、執行役が定期的に、かつ取締役の求めに応じて適時に、執行状況を直接報告する機会を設ける。 (監査委員会) ・監査委員会の委員の過半数は、独立性を有する社外取締役とする。 ・監査委員会の委員長は、独立性を有する社外取締役とする。 ・監査委員会の人数は5名程度とする。 ・監査委員会の委員長は、相当程度の時間を監査業務に費やすことが期待される。 ・監査委員会の委員のうち少なくとも一人は、日産自動車の社内で必要な情報収集を効率的に行うことができる取締役(非執行が前提)とすることが望ましい。 ・監査委員会の委員のうち少なくとも一人は、国際的な監査の経験・知見を有する取締役とすることが望ましい。 ・日産自動車の主要株主において取締役、執行役その他の役職員を務めた経験を有する取締役が、監査委員会の委員に就任することは望ましくない。 (監査委員会室) ・監査委員会をサポートするスタッフの充実が必要である (内部監査・統制部門のレポートライン) ・内部監査・統制部門がトップマネジメントの不正のおそれを探知した場合、通常とは異なり、これらのレポートラインを監査委員会のみとし、監査委員会による内部監査・統制部門に対する指示を、CEOを含む執行役による指示に優先させる。 (企業倫理の再構築) ・「ものづくり企業としての企業倫理の再構築」を求める。 (社内の部署の機能・権限見直し) ・秘書室および CEO オフィスの機能・権限について、他部署による牽制が効くように変更する。 ・事業戦略や中長期戦略の策定について1人の考え方を押し付けないように、企画部門を復活させる。 ・CEOリザーブ(CEOが自由に使えて他の干渉を受けない予備費)の廃止は明確に提言する。但し、通常の予備費の存在は許容する。 (内部通報制度) ・内部通報制度を変更し、最終的な通報先を監査委員会として執行役が通報者および通報内容を知り得ない体制とする。 (監査委員会、内部監査・統制部門および監査法人の関係強化) ・内部統制のための社内体制整備および運用の改善策の1つとして、監査委員会、内部監査・統制部門および監査法人との関係を強化し、外部の目をより積極的に活用する。 (後継者計画(サクセッションプラン)) ・指名委員会が、適切な経営幹部(特に CEO)の後継者計画を策定し、少なくとも 1 年に1回見直しを行うことが望ましい。 (本件不正行為等に利用された可能性のある子会社および関連会社) ・ZiA社をはじめとする、本件不正行為等に利用された可能性のある日産の子会社、関連会社その他の組織体(法人格を有するか否かを問わない。以下同じ。)について、廃止を含めた見直しを求める。 |
| 内容 | ・2010年に、日産自動車のエグゼクティブコミッティは、ケリー氏の提案により、オランダに投資を目的とする 100%子会社として Zi-A Capital B.V.(以下「ZiA社」という)を設立することを承認した。ZiA社は非連結子会社とされた。ZiA社を使って、リオデジャネイロやベイルートにゴーン氏が利用するための住宅が購入され、その改装費用も支払われた。 ・ゴーン氏の姉に対し、長期にわたり日産自動車から顧問料が支払われていた。顧問料の対価として提供された成果物は見当たらない。 ・ゴーン氏は、社有のコーポレートジェット飛行機やチャーターしたジェット飛行機を自身や家族の私的用途に使用していた。 ・ゴーン氏は、新生銀行とのデリバティブ取引を日産自動車につけかえた(ゴーン氏から実損分が日産自動車に支払われた)。 |
| 原因 | (非連結子会社の利用) ・非連結子会社に対する監視・監査の程度が連結子会社に対するそれと比べて低いため、ゴーン氏は会社財産の私的流用に際して非連結子会社の ZiA社を利用していた。 (ゴーン氏の姉への顧問料) ・ゴーン氏の姉に顧問料を支払っていたことは、社内でも特定少数の者しか知らなかった。 (デリバティブ取引の付け替え) ・ゴーン氏から実損分が会社に支払われたものの、取締役会にデリバティブ取引を付け替えたこと自体開示されていなかった。 |
| 再発防止策 | 上記の「報酬額の過少開示」の再発防止策を参照 |
<この失敗から学ぶべきこと>
日産自動車では、2018年6月に2名の独立社外取締役が新たに就任するまでは、取締役会の開催時間が極端に短く、平均して20分足らずでした。日本監査役協会のアンケート調査では上場会社(監査役会設置会社)における取締役の開催時間は1時間以上2時間未満が半数以上(54.4%)ともっとも多く、1時間未満は20.8%に過ぎません(日本監査役協会が2018年4月に公表した第18回インターネット・アンケート集計結果の問14-3より)。日産自動車ほどの規模の会社が、取締役会での審議にたった20分しかかけないというのはにわかに信じがたい話です。もちろん取締役会に求められるのは「どのようなことを議論し決議したのか」であり、取締役会の開催時間が長ければ長いほど良いものではないものの、さすがに報告事項も含めて20分で取締役会が終了してしまうのであれば、開催時間の短さ自体ガバナンスが効いていないことの証左とされるのは自明の理と言えます。
また、ガバナンス改善特別委員会の報告書によると、日産自動車では、長期にわたりゴーン氏の姉に顧問料を支払っており、ゴーン氏の姉から顧問料の対価として提供された成果物も見当たらなかったとされています。これは日産自動車特有の問題とは言えず、他の上場会社でも起こり得る不正と言えます。とくにオーナー系の上場会社では、経営トップがこのような「対価なし」あるいは「対価が見合わない」支払いを指示する可能性が少なくありません。顧問料の支払いを経営トップが確信犯的に隠ぺいしようとした場合、「関連当事者取引情報の収集」「内部監査による支払い内容のチェック」も機能しなくなってしまいます。監査役監査の充実や内部通報制度の社外窓口の設置といった仕組みの構築が必要になってきます。
なお、日産自動車のガバナンス改善特別委員会の報告書は、日産のガバナンスに対する国内外のステークホルダーからの信頼を回復するに足るものとするために、コリン・メルビン(元国連責任投資原則(PRI)ボード・メンバー、議長等を歴任)、ポール・マイナーズ卿(2001年に、後のスチュワードシップコード制定議論に連なる「マイナーズレポート」を取り纏めた英国上院議員)、スティーブン・デイビス(ハーバード大学ロースクールのシニアフェローでブルッキングズ研究所の上級研究員および米国証券取引委員会の投資家諮問委員会メンバー)といった国際的な知見を有する海外の識者と議論を行ったことを開示しているのがユニークと言えます(報告書の2ページを参照)。国際的に注目された事件だけに、「世の中を納得させるための権威づけ」に苦慮された様子がうかがえます。
